Dubai World Cup
第4回
2009年3月22日
 
 

追い日の翌日は、
ダートコースでダグを1000m踏み、
入念に身体をほぐしました。
強目の調教の反動も感じられず、
テンションもさほど上がらず、
機嫌もよく食欲も落ちず、
まずは一安心。


      バックストレッチより煙る市内を望む

お隣のバンブーエールも順調そうですし、
奥のウオッカ姉さんは余程体調が良いのでしょう、
それは美しく輝いています。
気高く凛として華がある我らが年度代表馬です。
カジノドライヴも頑張って成績を残し、
こんな強く美しいお姉さんに指名されるような
種牡馬になって欲しいものです。


       見つめ合うカジノ君とウオッカ姉さん

昨夜は、こちらにきて初めてのチームディナー、
何かとお世話になっている角居厩舎スタッフをお招きして、
ドバイの中心街へ日本食を食べに出かけました。

ここはイスラム教で禁酒の国、
アルコール類は高級なホテル内か、
僅かな数の外国人向けレストランでしか飲めません。
市井でも販売はしていません。
厩舎スタッフが滞在しているような
一般ホテルではアルコール類は置いていないので、
我々には久しぶりのお酒です。
さすが1か月以上も滞在している事情通の
角居厩舎の皆さんお薦めのお店、
料理(お刺身・てんぷら・鳥竜田揚げ・たこ酢・
もずく酢・キムチなど)はとても美味しく、
また楽しくいただきました。

スタッフホテルは町のはずれにあり、
競馬場から約25キロ・車で約25分、
朝5時から夜8時まで、
レンタカーで日に4往復・200キロも走ります。
ガソリンは1リットル21円、
さすがに産油国、安いですね。

ここは街全体が工事中、
道路は工事のため閉鎖・変更が日常茶飯事。
もともとの砂地に工事現場から出る粉塵・煙灰で、
空気は悪く黄砂のモヤの中にいるようです。
天気はこれまで概ね晴れ、
気温は最低21度・最高31度、
日中は確かに暑いのですが、
湿度が低いため不快ではありません。

調教時間(朝6~8時頃)は涼しく、
厩舎内は冷房と換気が完備されているので
馬はとても快適に過ごしています。
ちょっと心配なのは、
この木曜日から日曜日までの雨予報。
現地の人は「天気は神がきめること」と言って、
天気予報はあてにしていないようですが。

遠征中は何処に行っても1日2回、
ネットで2つのサイトの天気予報をチェックします。
競馬場では調教師らしき人に片っ端から声をかけ、
雨がどのくらい降ると馬場がどのように変わるのか、
雨天時の調教はどう変えるのか、
雨天時の馬場の注意事項等、
できるだけたくさん聞いて回ります。

特にダートコースは、
雨の状態とそのメインテナンスによって
馬場状態が大きく変わります。
調教はできるだけリスクを避け
良い馬場で行いたいもの。
追い切りとなればなおさらです。

馬場状態によって調教内容も変わり、
調教内容によって与える餌・栄養価も変わり、
馬の身体・状態にも影響を及ぼすでしょう。

もし雨予報が水曜日からとなれば、
火曜日に追い切ることも検討しなければなりません。
ともすれば23日の調教内容も変わってくるのです。

天候チェックは一例ですが、
起こり得るイレギュラーをできる限り事前に察知し、
最新の情報を入手し、
それに対する現地の人の対応例
(できれば成績の良い調教師の)を
調教師に報告し指示を仰ぎ備えておくことは、
初めての場所への遠征ではとても重要なことなのです。

(つづく)

 

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