海の向こうの競馬、そしてホースマン

第11回
さまざまなことを学んだ「馬術部」での日々(3)
 

中学3年生から始まった、
千葉新田牧場における合田さんの
“乗り役”アルバイトは、
慶応高校、慶応義塾大学へ
進学してからも続いていました。

「大学生になると、
 休みも長くなるから、
 時間が空く。
 千葉新田牧場でのアルバイトにも、
 ますます熱が入ることになりました」



「冬休みの時期は、
 ちょうど1歳馬の馴致が始まるころで、
 かなりじっくりと時間をかけて
 若駒の面倒を見ることができた。
 で、春休みの時期には、
 おおよその育成過程が終わった2歳馬たちが、
 厩舎に早めに入ったり、
 より実戦的な調教を行なう育成牧場に
 移っていったりするわけです」

「そうやって、成長過程のサラブレッドに
 関われたことは、現在のぼくの商売にも、
 役立っている面は大きいと思います。
 それに、乗り役のアルバイトは、
 ほかの学生ができる仕事と比べても、
 ビックリするくらいに割が良かった。
 高校生や大学生がいろいろな遊びを経験するのには、
 十二分な金額ではありましたね(ニヤリ笑)」

若き日々のあんなこと、
こんなことを思い出したのか、
少々怪しげな笑みを浮かべる合田さんですが、
次回からは、テレビ東京へ就職してから、
そして(有)リージェント設立までのお話を伺っていきます。

(第12回に続く)

構成・文/関口隆哉

 

合田直弘氏 プロフィール

1959年東京生まれ。慶応普通部(中学)時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶応大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。

 

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