5月24日に行なわれた日本のオークス。
勝ったブエナビスタと2着レッドディザイアが演じたハナの大接戦は、
歴史に残る素晴らしいものとなりました。
「オークスを制したブエナビスタ、2着のレッドディザイアともに、
条件さえ間違えなければ、世界中のどこのレースに出ても、
互角の勝負ができると思います」
「ブエナビスタが、近年の牝馬のなかでも
最強クラスの一頭であることは、以前から確信を抱いていましたが、
レッドディザイアも相当に器の大きな馬だと思います。
すでにブエナビスタは凱旋門賞挑戦を表明していますが、
レッドディアザイアにも、積極的に海外のレースに参戦して欲しいですね」
そう言った合田さんが、
レッドディザイアに打ってつけの
欧州遠征プランを披露してくれました。
「8月にイギリスのヨーク競馬場で行なわれる
距離12FのG1ヨークシャーオークス、
そして9月にフランスのロンシャン競馬場
2400mコースを舞台とするG1ヴェルメイユ賞を
連戦するというプランはどうでしょう」
「両レースともに、古馬も含めた牝馬限定戦ですが、
3歳馬は斤量的に恵まれる点も魅力です。
父がマンハッタンカフェで母系にカーリアンや
サドラーズウェルズの血が入っているレッドディザイアは、
血統的に見ても、欧州の2400m戦をこなせるはずですし、
自在にレースを組み立てられるタイプ。
間違いなく、好勝負を展開してくれるはずです!」
一方のブエナビスタは、
陣営が凱旋門賞への直行プランを表明しています。
「欧州最高峰のレースを敢然と狙いに行く。
“その意気や良し”であることは間違いありません。
ただし、凱旋門賞というのは、相手関係も強力だし、
レース展開的にも、予測不可能なことが起こりやすい競走でもあります。
要するに、勝つことが、そう簡単ではないレース。
もちろん、ブエナビスタは、
凱旋門賞を勝ち切る地力を備えてはいると思いますが、
現実に勝利するのは、相当にハードであることも事実ですね」
「まあ、さきほど話に出たヨークシャーオークスや
ヴェルメイユ賞もそうですが、
ヨーロッパには、魅力的な牝馬限定G1戦がたくさんあります。
日本の競馬関係者には、是非、そちらの方にも目を向けて頂きたいですね」
明日は、昨日行われた日本ダービーに対する、
合田さんのレース評をお届けします。
お楽しみに!
(第33回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。