レベルの高い大混戦と言われていた、
第135回ケンタッキーダービー(G1・D10F)が、
日本時間5月3日早朝、
米ケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場で行なわれました。
結果は、衝撃の大波乱劇!
勝ったのは、単勝51倍の17番人気馬
マインザットバード(父バードストーン)でした。
「この大波乱劇の要因は2つあると思います」
合田さんは、こう切り出しました。
「ひとつは、“スロッピー”と呼ばれる、
6段階中もっとも悪い状態となった、極めつけの不良馬場。
そしてもうひとつが、
昨年の2歳チャンピオン、ミッドマンシップを筆頭に、
相次いだ有力馬たちの戦線離脱です。
ケンタッキーダービー前日に前売り1番人気に推されていた
アイウォントリヴェンジが左前脚に熱を持って出走を取消したことも、
その象徴的な出来事でしたね」
こういった状況のなか、2着パイオニアオブザナイルに
6馬身4分の3差を付けたマインザットバードの勝因は
どこにあったのでしょう?
「馬場適性など、ほかの有力馬には、
それぞれ敗因があったかと思いますが、
マインザットハートの勝因は、
ちょっと思いつかないんです…(苦笑)」
「敢えていえば、鞍上のC・ボレロ騎手が、
イチかバチかの思い切った騎乗をしたこと。
ただし、極悪馬場のチャーチルダウンズ競馬場で、
最後方から行って、直線で内を突くという作戦は、
常識的にはあり得ません」
「マインザットハートはレベルの低い前哨戦である
G外のサンランドダービーを走り、4着に敗れていた馬。
いくら混戦模様とはいえ、正直、まったくのノーマークでしたね」
長らく海外競馬をウォッチしてきた合田さんにとっても、
理解不能の大波乱劇となった、
今年のケンタッキーダービー。
明日は、今後の米3冠戦線の展望を合田さんに語っていただきます。
(第5回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。