アメリカ3冠競走の最終戦ベルモントS(D12F・ベルモントパーク競馬場)が、
現地時間6月6日(日本時間7日)に近付いてきました。
今年の米3歳戦線は、牝馬のビッグスターが引っ張っています。
その名をレイチェルアレクサンドラ。
ケンタッキーオークスで2着馬に20馬身4分の1差を付けて圧勝した
レイチェルアレクサンドラは、
その2週間後に牡馬相手の3冠2戦目プリークネスSに出走。
ケンタッキーダービー馬マインザットバードを降し、
このレースで85年振りとなる牝馬の優勝を達成しました。
この女傑レイチェルアレクサンドラを、
合田さんはどう見ているのでしょう?
「牡馬、牝馬を通じて、
今年の米の3歳馬ナンバー1であることは間違いないでしょう。
ただし、今年の米3冠戦線は有力馬の故障が相次いだこともあって、
レベルはあまり高くない。
そのなかでレイチェルアレクサンドラだけが
突出しているのが現状なのではないでしょうか」
となれば、ベルモントSで、レイチェルアレクサンドラが
変則3冠を達成する可能性も高いのでしょうか?
「出てくれば、大本命であることは間違いないでしょう。
ただし、3歳牝馬にはキツいローテーションを踏んでいる上に、
前走プリークネスSは相当に厳しい競馬を余儀なくされた。
ベルモントSの出走を取りやめる可能性も十分あるかと思います」
「レイチェルアレクサンドラが出走してきた場合、
対抗馬の一番手となるのが、
昨年カジノドライヴが勝利した
G2ピーターパンSを制したチャリタブルマン。
勝ちっ振りも素晴らしかったし、
ほかの有力馬たちよりフレッシュな状態であることも
アドバンテージとなりそうです」
「もう一頭。ぼくが兼ねてから高く評価している
ダンカークの名前もあげさせてください(笑)。
ケンタッキーダービーは11着に敗れましたが、
プリークネスSをスキップして、
このベルモントSに標準を絞ってきました。
少頭数の12F戦なら、この馬の爆発力は、
絶対に活きてくるはずです!」
明日は現地時間6月5日に迫った
英オークスのプレビューです。
お楽しみに!
(第35回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。