さて、日本時間で今日の深夜にゲートが開く、
英ダービー(12F10Yd・エプソム競馬場)。
まずは、レースの見所を合田さんに伺ってみました。
「やはり、1989年のナシュワン以来となる、
英2000ギニー、英ダービーの2冠制覇を
シーザスターズが達成できるか否かが、
最大の焦点となるでしょう」
「一部には、“距離が持つかどうか”という声も出ていますが、
2000ギニーでは、勝負所のキツい坂に差し掛かってから
スゴい脚を使っていますし、少なくとも3歳馬相手なら、
距離適性が問題となることはないと思います」
「ただし、5月下旬に続いた雨の影響もあって、
今年のエプソムダービーは、
より一層パワーが求められる馬場となる可能性が高い。
距離云々より、瞬発力を武器とするシーザスターズには、
馬場コンディションがちょっと心配ですね。
あまりにも馬場が悪くなった場合には、
当日にスクラッチ(出走取消)するケースもあるかもしれません」
では、合田さんイチ押しの馬は?
「スタミナ、パワー比べの展開になれば、
モンジュー産駒のフェームアンドグローリーが有利でしょう。
前走の愛ダービートライアルSの勝ちっ振りが素晴らしかったですし、
エプソムダービー馬となる資格は十二分に備えていると思います」
「もし一発があるとしたら…」と合田さんが続けます。
「前走ダンテSで8着に敗れて評価を落としているクラウディドハウス。
2歳時から波の大きなタイプで、
ダンテSは、たまたま“ヤラズ”の日だったのかもしれません(笑)」
「もう一頭、A・オブライエン厩舎の伏兵、
エージオブアクエリアスにも、大勢逆転の目がある。
ドーヴィルの1歳セールで間近に見た馬という親近感もあるのですが、
そのレース巧者振りには高い評価が与えられます」
明日は、仏ダービー&仏オークスのプレビューをお送りします。
お楽しみに!
(第38回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。