現地時間6月5日(日本時間同日深夜)に
エプソム競馬場で行なわれた英オークスは、
1番人気に推されていたサリスカが
2着ミッドデイとの競り合いをアタマ差制し、
ファンの支持に応えました。
「サスリカの長所は、気性が素直で、
鞍上が動きたいところで動けることでしょう。
また、この日のエプソム競馬場は馬場も良く、
この馬の持ち味である瞬発力が
存分に活かせたことも勝因のひとつですね」
「実は、このサリスカは
凱旋門賞への出走登録をしていなかったのですが、
英オークス後に、管理するM・ベル調教師が、
追加登録をする意向を表明しました。
凱旋門賞でブエナビスタと“日欧女王対決”をするのは、
どうやら、この馬となりそうです(笑)」
当初、合田さんがブエナビスタの好敵手とし
て期待していたレインボーヴューは、
英1000ギニー5着に続き、
この英オークスでも4着に敗れました。
「レインボーヴューは、
気性面の難しさが出てしまった感が強いですね。
ただ、直線で前をカットされた時点では、
“もうどこにもないな”とすら思えたのですが、
それでも4着に来ている。
その意味では、間違いなく地力の高い馬なのでしょう。
2400m戦線では厳しいかもしれませんが、
折り合いの付きやすいマイル路線を歩めば、
大爆発する可能性は十分にあるはずです」
合田さんは、勝ったサリカスだけでなく、
2着馬ミッドデイ、3着馬ハイヒールドについても
高く評価しているそうです。
「今年の欧州の3歳牝馬はレベルが高く、
今後のヨークシャーオークスやヴェルメイユ賞でも
素晴らしいレースを見せてくれそうです。
日本のオークスのレース評のときにも言いましたが、
このなかに日本のレッドディザイアが一枚噛んでくれれば、
本当に楽しみが大きくなるのですが…」
さて、明日は英オークスの翌日、現地時間6月6日に行われた、
歴史的な快挙が達成された英ダービーのレース評です。
お楽しみに!
(第41回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。