昨年は、今春から日本で種牡馬供用されている
チチカステナンゴ産駒のヴィジョンデタが勝利した
仏ダービー(=ジョッケクルブ賞、2100m・シャンティ競馬場)が、
日本時間の本日深夜にスタートを切ります。
「最有力候補と言えるのが、
前走でG2グレフュール賞を制したカットラスベイ。
1990年代中盤に登場した名中距離馬ホーリングの産駒で、
2100mで争われる仏ダービーは、最適の条件となりそうです」
3戦3勝の無敗馬であることも、
カットラスベイの大きなセールスポイントだと、
合田さんは指摘します。
「対抗馬となるのが、有力なプレップレースとなっている
G2オカール賞で強い競馬を示したワジールでしょう」
ワジールの父は、
今年の欧州3歳戦線で活躍馬を多数輩出しているデインヒルダンサー。
父の持つ勢いが、ワジールの仏ダービー制覇を後押ししてくれるかもしれません。
仏ダービーから一週間後、現地時間6月14日に開催されるのが、
仏オークス(=ディアヌ賞、2100m・シャンティ競馬場)。
こちらの見通しも、合田さんに伺ってみました。
「本命馬はブエナビスタと同族にあたる
ドイツの“S”ラインを母系に持つスタチェリー。
この馬が一歩も二歩も抜け出しているのは間違いのないところでしょう」
「もう一頭、忘れてはならないのが、
仏1000ギニーで3着に敗れたファンタジアの巻き返し。
個人的にも、レンボーヴューとともに、大いに期待していた馬ですし、
この大一番で、是非とも復活して欲しいですね!」
さて、明日からはいよいよ、
この週末に行われた欧米3歳戦線のビッグレースを、
合田さんに振り返ってもらいます。
まずは、米のベルモントSから。
乞うご期待のほどを!
(第39回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。