1989年のナシュワン以来の英2000ギニー、
英ダービー連覇を達成したシーザスターズの今後は、
世界中の競馬ファンの注目するところでしょう。
果たして、どんなローテーションを選択するのか?
合田さんに聞いてみました。
「まだはっきりとした答えは出ていませんが、
管理するJ・オックス調教師の意向としては、
8月にヨーク競馬場で行なわれるインターナショナルS、
9月にレパーズタウン競馬場で開催される
愛チャンピオンSといった10F路線を歩みたいようです」
「したがって、愛ダービー、
KジョージⅥ世&QエリザベスSへの出走は、微妙といったところ。
ただ、英ダービーでエプソム競馬場の12F戦を克服したわけですから、
ファンとしては是非、出て欲しいレースがありますよね?」
イタズラっぽく笑いながら、そう問いかける合田さん。
「凱旋門賞ですか」と答えると、
首を振りながら、こう続けました。
「9月にドンカスター競馬場で行なわれる
英3冠最終戦、セントレジャーです。
ニジンスキー以来39年振りとなる
英3冠馬誕生の瞬間を見てみたいじゃないですか!」
しかし、いまや権威が地に落ちてしまった、
英セントレジャー出走を陣営が選択する可能性はあるのでしょうか?
「まあ、馬主さんが欧州の人だったら、
まずセントレジャーには向かわないでしょうが、
シーザスターズのオーナーは香港の方ですからね。
英3冠に対するロマンみたいなものを持っていらっしゃるかもしれない。
われわれも、“英3冠馬が見たい”という世論をどんどん盛り上げて、
陣営にプレッシャーをかけていきたいと考えています(笑)」
「とはいえ、10F路線を考えているシーザースターズにとって、
2900mを超える距離で争われるセントレジャーは、
相当に苛酷な条件であることは間違いありませんから、
出走すれば、必ず勝てるレースでもないのですけどね…」
明日は有力馬が次々と登場してきている、
欧州古馬戦線の今後を合田さんに伺います。
お楽しみに!
(第46回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。