さて、日本におけるクラシックレースのハイライトのひとつである、
オークスが明後日に近づいてきました。
今年の主役は、桜花賞に続く牝馬2冠に挑むブエナビスタ。
この新女傑候補をどう見ているのか!?
合田さんに聞いてみました。
「ダイワスカーレット、ウオッカ、シーザリオなど、
近年の日本競馬界は牝馬の超大物たちが目立っていますが、
もしかするとブエナビスタは、そのなかでも最強かもしれない。
道中まったく動じない素振りで後方待機に徹し、
直線で末脚を爆発させる。
あの肝の据わり方は、まさしくタダ者ではないですよね!」
「昨年の阪神JFを圧勝したブエナビスタの雄姿を観たとき、
欧州2歳戦線で快進撃を見せていた
レインボーヴューのことを想い浮かべたんです。
ひょっとすると、ブエナビスタとレインボーヴューの
日欧女傑3歳馬の対決が、
2009年の世界競馬界最大の見所になるかもと…。
まあ、英1000ギニーでレインボーヴュ―が負けてしまって、
この気持ちも、かなり揺らいでいるのですが(笑)」
オークスを前にした5月中旬、ブエナビスタ陣営から、
「10月にフランス、ロンシャン競馬場で行なわれる
凱旋門賞に出走登録した」
という、ビッグニュースが届けられました。
「もちろん、凱旋門賞が大目標ということで構わないのですが、
個人的には9月にフランスのロンシャン競馬場で行なわれる
距離2400mの牝馬限定G1ヴェルメイユ賞を、ぜひ使って欲しい。
19世紀末に創設された伝統あるG1戦ということもあるのですが、
同コース、同距離で争われる凱旋門賞の前哨戦としても、
とても価値が高いレースなのでね」
「事実、昨年は3歳牝馬ザルカヴァが、
このヴェルメイユ賞と凱旋門賞を連勝し、
欧州年度代表馬に選出された。
ブエナビスタにも、ザルカヴァのような活躍を
大いに期待しているんです」
(第23回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。