昨日紹介したアメリカの競馬場から、
赤道を超えてグングンと南下していった、
ブラジル南部の大都市クリチバ。
今日の合田さんの話の舞台となるのが、
豊かな緑とゴシック様式の大聖堂で知られる、この街です。
1994年のジャパンCに参戦し、
1番人気に推された(結果は5着)のが、
ブラジル生まれで、
米G1競走で5勝を記録したサンドピットでした。
「サンドピットの馬主さんに招待されて、
ブラジルのクリチバにあるタルマン競馬場を訪問しました。
まず驚いたのが、裸馬で調教を行っていたこと(笑)。
とはいえ、施設も調教技術も素晴らしく、
レースのレベルも非常に高いものでした」
「クリチバには競馬場だけでなく、
生産牧場や育成牧場も多数存在しています。
サンドピットの馬主さんが持っている牧場は、
もの凄く豪華なものでしたよ」
ブラジル生まれの競走馬からは、
前述のサンドピット以外にも、
今年のシンガポール航空国際Cを制したグロリアデカンペオン、
“ブラジルのシンザン”的な存在である
ファーウェルやエスコリアルといった名馬が出ています。
「南米では、チリやアルゼンチンが
競馬先進国として知られていますが、
ブラジル競馬もなかなかのものです。
クリチコの競馬関連施設を実際に観たことで、
サンドピットのような
世界規準での強豪が出てくるのも当然だと思いました」
「まあ、日本の裏側という
地理的な遠さも影響しているのかもしれませんが、
ブラジルのクリチバは、ぼくにとって特別な想いを抱く、
競馬に関連した土地となっています」
さて、明日は日本ダービー当日。
本命に推されているアンライバルドの海外遠征について、
合田さんが語ります。お楽しみに!
(第31回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。