さて、ケンタッキーダービー、英2000ギニー、
英1000ギニーのレース模様や合田さんの戦評は、
明日以降にお届けする予定なのですが、本日は閑話休題。
米3冠レースが行なわれる、各競馬場について、
もし、どこかひとつを観戦しに行くとしたら、それはどこなのか?
合田さんに忌憚の無いご意見を伺ってみました。
「まず、ケンタッキーダービーが行なわれるチャーチルダウンズ競馬場ですが、
ケンタッキーダービーは、競馬ファンならば
一生に一度はナマで観戦したいイベントであることは確かです。
名物であるミントジュレップ(バーボンウイスキーベースのカクテル)を
飲みながら聞く、大観衆による“マイ・オールド・ケンタッキーホーム“の大合唱は、
背筋がゾクゾクっと来る感動を覚えますからね」
「ただ、ケンタッキーダービーを毎年観たいか、
と問われれば、意外とそうでもない(笑)。
混雑は、競馬ブームのころの日本のG1戦並だし、
馬主席にでもいない限り、レースを観るのも一苦労なんですね。
まあ、正直に言えば、
一回観ておけば、それで十分かなぁというレースであり、
競馬場でもありますね」
「プリークネスSが行なわれるピムリコ競馬場は、
メリーランド州のボルティモアにあるのですが、
はっきり言って、競馬場も厩舎も汚らしい(笑)。
まあ、日本の競馬ファンがわざわざ訪ねる競馬場としては、
“是非とも”とは、とても言えないですね」
ここで、そんなことを断言してしまって、
ピムリコ競馬場の関係者から文句が来ませんか?
と突っ込むと、
「現地の人は、この記事を読まないでしょうから」と、
軽く受け流す合田さんなのでした。
「いちばんのオススメは、
ベルモントSが行なわれるベルモントパーク競馬場ですね。
ニューヨーク市街からのアクセスもいいし、広くて綺麗。
イメージとしては、東京競馬場に近いものがある。
3つの競馬場のなかで、
競馬を楽しむ環境がいちばん整っているのは、間違いのないところです」
(第4回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。