6馬身4分の3差を付ける圧勝で
ケンタッキーダービーを制したマインザットバード。
本来ならば、プリークネスS、ベルモントSの
有力候補に躍り出ても不思議はない、勝ちっ振りだと思うのですが、
合田さんの見方は否定的です。
「着差に関しては、不良馬場のチャーチルダウンズ競馬場では、
思わぬ大差が付いてしまうことは珍しくない。
その意味では、マインザットバートの圧勝劇を、
そのまま評価することは難しいと思います。
それに、もし、このケンタッキーダービーが良馬場で行なわれていたら、
まったく違う結果が出ていたはずですよ」
では、現地時間5月16日に行われるプリークネスS、
同6月6日のベルモントSに関して、
合田さんは、どんな展望を抱いているのでしょう?
「ケンタッキーダービーの有力馬と目されていた馬たちのなかで、
いちばんまともな競馬をしたのが2着に入ったパイオニアオブザナイル。
実力的には、3冠タイトルに手が届くものを持っていると思います。
ただ、これまでオールウェザーコースばかりを走ってきた馬。
良馬場のダートコースで、どんな走りをするかは、いまだ未知数ですし、
全幅の信頼は置きにくいですね」
「個人的に高く評価しているのがダンカーク。
ケンタッキーダービーは11着に終わりましたが、
レース内容そのものは決して悪くはなかった。
もともと差し脚が武器のタイプで、
距離延びて、出走頭数が少なくなるベルモントSでは、
かなり期待できる馬だと信じています」
最後に、日本時間5月2日朝に行なわれた、
ケンタッキーオークス(G1・D9F)を
20馬身4分の1の大差勝ちで制した
レイシェルアレクサンドラについて、
合田さんにコメントしてもらいました。
「ケンタッキーオークスは、強い馬が強い競馬をしたレースでした。
父が新進気鋭の種牡馬として高い注目を集めている
メダーリアドーロという血統も魅力的ですし、
レイシェルアレクサンドラは、
牝馬戦線の大スターとなる資質を十分に持っていると思います」
明日は、現地時間5月2日に行なわれた英2000ギニー、
同3日の英1000ギニーのレース評を合田さんに伺います。
お楽しみに!
(第6回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。