デリゲーター、レインボーヴューといった、
英ダービー、英オークスでも有力視されていた
本命馬たちが敗れ去った英2000ギニーと英1000ギニー。
果たして、今後の英クラシック戦線は、
どう推移していくのでしょうか。
「当然、英ダービーのシーザスターズには、
2001年のガリレオに続く兄弟制覇が期待されているわけですが、
父がスピードタイプの種牡馬であるケープクロスというところが、
ちょっと気になります。マイル戦よりは
2000mの方が向いていることは間違いないでしょうが、
エプソム競馬場の2400mでどうかとなると、
正直、分からないですね」
では、合田さんが注目している馬は?
「デリゲーターを擁する名門B・ミーハン厩舎のもう一枚の大駒で、
2歳G1レーシングポストTを制したクラウディッドハウスは、
レイボウクエスト産駒らしいスケールの大きさを持っています。
ミーハン調教師としては、
英2000ギニーにおけるデリゲーターの仇を
英ダービーのクラウディッドハウスで返すという気持ちが強いと思います」
「ただ、今年の牡馬クラシックは混戦模様であることに変わりはない。
これから続々と行なわれる前哨戦で、
新たなる有力候補が彗星の如く現われる可能性も十分にありますね」
英1000ギニーの大本命馬レインボーヴューの敗退は、
合田さんにとってもショックだったそうです。
「まあ、今年のハイライトは、
日本のブエナビスタとレインボーヴューの
“日欧3歳女王対決“と考えていましたから、
本当に残念ですね」
「オークス戦線の方は、
現地時間5月10日に行なわれる仏1000ギニーに回ることになった、
レインボーヴューと同じストローブリッジ氏が馬主である
ファンタジアに期待しています。
仏1000ギニーは楽勝してもらい、
ブエナビスタのライバルに名乗りを上げてもらいましょう!」
明日からは3回に渡り、
2005年ケンタッキーダービーを舞台に繰り広げられた、
少女とレモネード、そしてとある強豪馬にまつわる、
“ちょっといい話“をお届けします。
お楽しみに!
(第8回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。