「レイチェルアレクサンドラの出走回避もあり、
ベルモントSは低レベルの争いになるかもと心配したのですが、
レース内容は濃く、
3歳牡馬陣の評価を見直したところもあったんです」
合田さんが、続けます。
「何度も言うようですが、古牡馬陣が手薄ですから、
ケンタッキーダービーを制したマインザットバードも、
ベルモントS馬となったサマーバードも、
ブリーダーズCクラシック制覇へ向けての視界が
十分に開けたと思いますよ」
そしてもう一頭、合田さんが兼ねてから押している、
ベルモントSの2着馬ダンカークも、忘れてはいけません。
「しつこいようですが(笑)、将来性ということで、
3歳牡馬陣のなかでピカイチの存在と言えるのは、
やはりダンカークだと思います。
“真夏の祭典”と呼ばれる
サラトガ競馬場で行われるG1トラヴァーズSに出てくれば、
きっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずです!」
さて、秋に行なわれる米競馬各部門の
チャンピオン決定戦の意味合いを持つブリーダーズCですが、
「ちょっと気になる点がある」と合田さんは言います。
「昨年に続いてサンタアニタパーク競馬場での開催となり、
今年もオールウェザーコースで争われることになりました。
したがって、ダートで行なわれる3冠戦とは違った
コース適性が問われることになる。
もしかすると、オールウェザーで強い、
ベルモントSの9着馬チョコレートキャンディあたりの
巻き返しがあるかもしれません」
明日は、英2冠馬シーザスターズの今後を、
合田さんが語ります。乞う、ご期待!
(第45回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。