ケンタッキーオークスを20馬身4分の1差で圧勝、
続くプリークネスSでは、
このレース85年振りの牝馬優勝を飾ったレイチェルアレクサンドラは、
米競馬界に彗星の如く登場したニューヒロインでした。
そして米競馬界には、もう一頭、牝馬の超大物が存在しています。
昨2008年の全米古牝馬チャンピオンで、
これまで10戦全勝の成績を残している5歳馬ゼニヤッタです。
「古牡馬陣の層が薄いこともあって、
今年の米競馬最大のハイライトは、
レイチェルアレクサンドラ VS ゼニヤッタの
新旧女帝対決となりそうです。
すでに、両陣営とも相手を意識したようなコメントを発していますし、
雰囲気は相当に盛り上がってきていますね」
いまのところ、この両名牝がぶつかる舞台となるのは、
ブリーダーズCレディースクラシックが有力視されていますが、
「ひょっとしたら、“レディース”が取れた、
単なる“クラシック”の方になるかも」と合田さんは言います。
果たしてこの2頭、どちらが強いのか?
合田さんに聞いてみました。
「う~ん、難しい質問ですが、現時点での比較ならば、
ゼニヤッタの方が少し上でしょう。
とはいえ、レイチェルアレクサンドラには伸び白もある。
それに、父のメダグリアドーロも同じなのですが、
レイチェルアレクサンドラは、非常に頭が良くて、
冷静に競馬を進められるタイプなのですね。
そのことが、大一番でのアドヴァンテージとなる予感もしています」
明日は、マインザットバード、サマーバードなど、
米3歳牡馬陣の今後を占います。お楽しみに!
(第44回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。