ロンシャンウィークエンド初日、
現地時間10月3日に行われたG1フォレ賞では、
「世界ナンバー1現役マイラー」と評価されている
女王ゴルディコヴァが3着に敗れる大波乱劇が起きました。
合田さんが、大本命馬ゴルディコヴァの敗因を分析します。
「ペースが速かったにもかかわらず、
前半で完全に引っ掛かってしまったことが
直接の敗因でしょう。
6馬身差の圧勝を飾った前走ジャックルマロワ賞でも、
やや折り合いを欠く面が見られたのですが、
今回ほど、ひどく行きたがってはいなかった。
もうひとつ、この馬には少々馬場が硬すぎたことも、
3着に終る要因になったかと思います」
ゴール前で逃げ粘りを計るゴルディコヴァを一気に交わし、
併せ馬の形となった2着馬スウィートハースを短頭差抑えて優勝したのは、
フォレ賞が重賞初制覇となった
3歳牡馬ヴァレナール(父ロックオブジブラルタル)でした。
「正直、勝ったヴァレナールは、
ぼくにとっては、まったくノーマークの馬でしたね」
「それはともかく、
このゴルディコヴァが負けたフォレ賞と同じ日、
イギリスでもG1サンチャリオットSで、
圧倒的1番人気に推されていたガナーティが
ブービー人気のサープレサという馬に負けてしまいました。
相次ぐ大本命馬の敗退で、“今週はこういう流れなのか”
と考えたヨーロッパの競馬ファンが多かったのか、
凱旋門賞のシーザスターズの単勝オッズも、
少しだけ高くなったんですよ(笑)」
あるいは、「勝負事にまつわる流れ」を気にするのは、
洋の東西を問わず、馬券的中を大目標とする競馬ファンの
“習い性”みたいなものなのかもしれません。
さて明日は、凱旋門賞を除く、
ロンシャンウィークエンド2日目のG1レースの結果と
注目の2歳牝馬についてお届けします。
(明日更新の第8回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。