合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬3 そしてホースマン

現地時間、10月3日、4日に開催される“ロンシャンウィークエンド”。地元フランスはもとより、ヨーロッパの秋競馬を締めくくるこの一大競馬イベントでは、凱旋門賞、オペラ賞、ジャンリュックラガルデール賞、フォレ賞など、7つものGIレースと4つのGIIレースが行われるのです。
第6回
シーザスターズは21世紀の欧州最強馬!

これは凱旋門賞が終了後に、改めて合田さんに
お話を伺いたいテーマでもあるのですが、
現時点でのシーザスターズの歴史的な評価は、
どんな位置付けなのでしょう?

「少なくとも、21世紀に入ってからという区切りでは、
  ヨーロッパ最強馬であることは間違いないでしょう。
  直近の馬で比較するなら、
  10年前にエルコンドルパサーを降して凱旋門賞を制したモンジューと、
  どちらが上かということになると思います」

シーザスターズが、圧勝で凱旋門賞を制した場合は?

「あるいは、ラムタラ、ダンシングブレーヴといった、
  近年の“レジェンド=伝説”たちと肩を並べるかもしれませんね」

日本時間の本日深夜に行われる凱旋門賞で、
大本命馬シーザスターズが、果たしてどんな競馬を見せてくれるのか!? 
競馬史という観点からも、大いに注目されるところです。

最後に、合田さんに、こんな質問をぶつけてみました。
“いまさら言っても詮無きことではありますが、
もしブエナビスタが凱旋門賞に出走していたら、
どんな結果を得ていたと思いますか?“

「陣営が、参加することに意義があるとは考えずに、
  本気で勝ちに行こうとしていたのなら、
  遠征を取りやめて正解だったと思います。
  ブエナビスタの札幌記念のレース振りは、
  日本で秋華賞、エリザベス女王杯制覇を狙う上では、
  まったく問題のないものだったでしょう。
  ただ、凱旋門賞でシーザスターズを負かそうというのであれば、
  大いに物足りないものでもありましたね」

ということで、ロンシャンウィークエンドのレース評は、
10月7日(水)からお届けする予定です。
現地に飛んでいる合田さんのコメントをお楽しみにお待ちください!


(次回、第7回は10月7日・水曜日の更新です)

構成・文/関口隆哉

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。