合田さんが9割方勝利すると確信している、
凱旋門賞の大本命馬シーザスターズ。
わずかに存在している「逆転の目」を託すとしたら、
いったいどの馬なのでしょうか?
「まず、馬場状態に条件を付けたいと思います。
シーザスターズが出走回避してしまうような
極悪馬場までには至らないけど、パンパンの良馬場でもない。
つまり、勝ち時計が2分30秒台前半になるような、
パワーが問われるコンディションになった場合は、
好メンバーが揃った前走G1バーデン大賞で
3馬身差を付ける強い勝ち方をしたドイツ馬
ゲッタウェイ(父モンズーン)が面白い存在になってくると思います」
「バーデン大賞から凱旋門賞というローテーションは、
2002年の勝ち馬マリエンバードと一緒です。
ゲッタウェイはすでに6歳馬ですが、経験も豊富ですし、
いかにも伏兵っぽい雰囲気が漂っていますね」
「展開的に恵まれるケースが考えられるのは、
イギリスの5歳馬スパニッシュムーン(父エルプラド)です。
前走のG2フォア賞同様、
パンパンの良馬場でスタコラスタコラ逃げられれば、
ひょっとするかもしれない。
後方に付けたシーザスターズが
他の有力馬に気をとられて動くに動けず、
結局、追い込んで届かないというパターンですね。
ウ~ン、でも冷静に考えれば、さすがにそれはないかなぁ(笑)」
地元フランス勢はどうでしょう?
「凱旋門賞のもっとも有力なトライアル競走である
G2ニエユ賞を勝った3歳馬キャヴァルリマン(父ホーリング)、
いかにもトライアルらしい走りで2着した昨年の仏ダービー馬
ヴィジオンデタ(父チチカステナンゴ)の2頭が注目だとは思いますが、
キャヴァルリマンを管理する
“ミスター凱旋門賞”ことA・ファーブル調教師は、
すでにシーザスターズに対して白旗を掲げている状態ですから(笑)。
安定感のあるヴィジオンデタは、
2着争いということでは、一番手の存在かもしれませんね」
さて、明日はロンシャンウィークエンド・プレビュー編の
最終回をお届けします。
乞うご期待!
(明日更新の第6回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。