今年、第88回目を迎えるG1凱旋門賞(現地時間10月4日)。
現時点で、イギリスのブックメーカーたちが、こぞって1番人気に推しているのが、
英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、
英インターナショナルS、愛チャンピオンSと、
今季G1レースばかりを使い5連勝を記録している3歳牡馬
シーザスターズ(父ケープクロス、母アーバンシー、母父ミスワキ)です。
合田さんが、解説してくれます。
「夏前からの流れで言うと、
長い間、各ブックメーカーの1番人気は
愛ダービーを制したフェームアンドグローリー、
2番人気が仏オークス馬のスターチェリータ、
そして3番人気にシーザスターズという評価だったのです。
もちろんこれは、シーザスターズの実力に疑問符が付くということではなく、
“おそらく凱旋門賞には出走してこないのでは”という
含みもあってのオッズだったわけですね」
「ところが、愛チャンピオンSを勝った後、
陣営が凱旋門賞参戦を正式に表明した。
なにせ20年振りに誕生した英二冠馬であり、
G1戦5連勝を達成しているスーパーホース。
当然のことながら、ここに至り、
シーザスターズが圧倒的な1番人気となったのです」
さて、管理するJ・オックス調教師が“この馬のベストは10F戦”と公言し、
事実、英ダービー後、距離10FのG1レースを3戦続けて使ったシーザスターズ。
ロンシャン競馬場2400mコースで争われる凱旋門賞に、
距離面での不安はないのでしょうか?
「ロンシャン2400mコースより、
さらにタフなエプソムの12Fコースで競う
英ダービーを勝利しているのですから、
スタミナ面の心配はないと思います。
むしろ、ロンシャンが初コースとなることの方が心配ですが、
最近では、サキー、マリエンバードが
ロンシャン初出走で凱旋門賞を制していますから、
たぶん問題はないでしょう。
おそらく90%の確率でシーザスターズが勝利すると考えています。
まあ、あまりにも月並みな見解で申し訳ないのですが…(笑)」
明日はシーザスターズのライバルたちについて、
合田さんにお話を伺います。
お楽しみに!
(明日更新の第5回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。