メーンエベントである凱旋門賞出走予定馬以外で
もっとも注目される存在は?
という質問を合田さんにぶつけると、
間髪を入れずに、こんな答えが返ってきました。
「やはり、フォレ賞に出走予定の4歳牝馬
ゴルティコヴァということになりますよね」
3歳春の仏牝馬クラシック戦線では、
後に欧州年度代表馬に輝くザルカヴァの引き立て役に終ってしまった
ゴルティコヴァ(父Anabaa、母Born Gold、母の父Blushing Groom)ですが、
3歳夏以降マイル戦線に転じて大ブレイク。
ムーランドロンシャン賞、ブリーダーズCマイルを連覇し、
世界最高峰に位置するマイラーと見なされるようになりました。
今年も、その勢いは止まらず、7月のファルマSから、
ロートシルト賞、ムーランドロンシャン賞とマイルG1の3連覇を記録しています。
「6馬身差の圧勝を飾った
ムーランドロンシャン賞のレース振りは、まさに圧巻でした。
ゴルティコヴァを管理するフレディ・ヘッド調教師は、
1980年代後半にG1を勝ちまくった“世紀の名牝”
ミエスクの主戦騎手としても知られる方ですが、
そのヘッド師の口から、
“ゴルディコヴァはミエスクよりも強いマイラーだ”
という発言が出た。
さらに、ムーランドロンシャン賞後に発表されたレーティングでは、
1996年のボスラシャム以来の
130ポンド台のフリーハンデが付く牝馬となりました。
まあ、この数値は、ちょっと高過ぎるかなぁというのが、
ぼくの正直な感想ではあるのですが…(笑)」
ところで、フォレ賞で、
ゴルディコヴァのライバルとなるような馬はいるのでしょうか?
「サセックスS、クイーンエリザベスⅡ世Sと
イギリスのマイルG1を連覇している3歳牡馬リップヴァンウィンクルとの初対決は、
ぜひとも見たかったのですが、
リップヴァンウィンクルは、フォレ賞には出走せず、
ブリーダーズCに直行の予定となっています。
となれば、フォレ賞でのゴルディコヴァに敵はいないでしょう。
果たして、どんな勝ち方を見せてくれるのか?
それがフォレ賞最大の焦点だと思います!」
(明日更新の第3回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。