合田直弘氏インタビュー 海の向こうの競馬5 そしてホースマン

海外からトップホースを招いて行われるジャパンC&ジャパンCダートが11月29日(日)東京競馬場、12月6日(日)阪神競馬場で開催されます。
第9回
ティズウェイの実力は第1回JCダートに参戦したユーカーぐらい!?

第10回ジャパンCダートに出走する唯一の外国馬となったティズウェイは、
アメリカのH・J・ボンド厩舎に所属する4歳牡馬です。
父はブリーダーズCクラシックを連覇した歴史的名馬ティズナウ。
今年7月まで条件戦を走っていたティズウェイですが、
8月のホイットニーHを4着、10月のジョッキークラブ金杯3着と、
G1戦で連続して好走する急成長を示しています。

「上り調子であることは確かでしょうが、
  ジョッキークラブ金杯では、
  サマーバードに5馬身以上の差を付けられている。
  まあ、第1回ジャパンCに参戦して8着となった
  アメリカ馬ユーカーぐらいの実力の持ち主と考えておけばいいと思います」




と、少々分かりにくい例えを出した合田さんが続けます。

「超不良馬場になりながら、超ハイペースの競馬になり、
  この馬の得意の戦法である
  内を突いて差してくることができれば(笑)、
  上位進出も可能かもしれませんが、
  現実的には、勝ち負けすることはかなり難しいでしょう」

さて、今回のジャパンCダートの目玉外国馬となるはずだったのが、
骨折のために出走を断念したサマーバード。
このG1レース3勝馬を、合田さんはこう見ていました。

「ベルモントS、トラヴァーズS、ジョッキークラブ金杯という
  G1レース中のG1レースを3勝した実績は、本当にゴツいものです。
  ただし、2着に敗れたG1ハスケル招待Sでは、
  3歳牝馬のレイチェルアレクサンドラに6馬身も負けている。
  今年の3歳牡馬陣のレベルに関しては、ちょっと疑問が残りますから、
  メジャーG1戦3勝の実績を額面通り評価していいかは、
  微妙なところだったとは思います」

「ただ、ジャパンCダートに米3冠戦の勝ち馬が
  参戦するのは初めてでしたから、
  どんな競馬をしてくれるか、非常に興味があった。
  サマーバードが骨折でリタイアしてしまったことは、
  心の底から残念です…」

ジャパンCダート、レース当日となる明日は、
合田さんの本命馬を発表します。お楽しみに!

(明日更新の第10回に続く)

構成・文/関口隆哉




合田直弘氏プロフィール

1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。