2000年に創設されたジャパンCダートにおいて、外国馬が連対を果したのは、
2003年に勝利したアメリカ馬フリートストリートダンサーのみ。
2005年から昨2008年までの4年間(2006年は外国馬の参戦なし)については、
外国馬は掲示板に載ることすらできていません。
もちろん、超一流の実力馬が参戦していない、ということもあるのでしょうが、
まずは、外国馬不振の原因を合田さんに尋ねてみました。
「やはり、欧米の超一流どころにとっては、
大目標となるレースが終った時期。
“日本に行って、もう一丁” とモチベーションを高めることは、
かなり難しいのでしょう」
「それと、左回りの競馬場ばかりのアメリカ馬にとって、
走り慣れていない右回りの阪神ダートコースというのは、
参戦を敬遠する材料となっているのかもしれません」
「もうひとつの理由は…」と合田さんが続けます。
「ここ数年、日本のダート中距離戦線を走っている馬のレベルが、
非常に高いということも、
外国馬が掲示板にすら載れない要因になっていると思います。
今年の日本馬に関して言えば、
芝路線を走っている一線級よりも、
ダート路線のトップクラスの方が、
層が厚いのではないでしょうか」
現状で、自国では超一流レベルに達していない外国馬がジャパンCダートを勝つためには、
かなり厳しい条件が付けられると、合田さんは指摘します。
「フリートストリートダンサーが勝った2003年のように、
砂だか泥だか分からないような(笑)、
極端な不良馬場にでもならない限り、
勝つチャンスはないと考えてもいいでしょう」
明日は、唯一の出走外国馬となったアメリカ馬ティズウェイ、
そして骨折のため出走を断念した、
今年のベルモントS馬サマーバードの話題をお届けします。
(明日更新の第9回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。