第10回ジャパンCダートに出走する唯一の外国馬となったティズウェイは、
アメリカのH・J・ボンド厩舎に所属する4歳牡馬です。
父はブリーダーズCクラシックを連覇した歴史的名馬ティズナウ。
今年7月まで条件戦を走っていたティズウェイですが、
8月のホイットニーHを4着、10月のジョッキークラブ金杯3着と、
G1戦で連続して好走する急成長を示しています。
「上り調子であることは確かでしょうが、
ジョッキークラブ金杯では、
サマーバードに5馬身以上の差を付けられている。
まあ、第1回ジャパンCに参戦して8着となった
アメリカ馬ユーカーぐらいの実力の持ち主と考えておけばいいと思います」
と、少々分かりにくい例えを出した合田さんが続けます。
「超不良馬場になりながら、超ハイペースの競馬になり、
この馬の得意の戦法である
内を突いて差してくることができれば(笑)、
上位進出も可能かもしれませんが、
現実的には、勝ち負けすることはかなり難しいでしょう」
さて、今回のジャパンCダートの目玉外国馬となるはずだったのが、
骨折のために出走を断念したサマーバード。
このG1レース3勝馬を、合田さんはこう見ていました。
「ベルモントS、トラヴァーズS、ジョッキークラブ金杯という
G1レース中のG1レースを3勝した実績は、本当にゴツいものです。
ただし、2着に敗れたG1ハスケル招待Sでは、
3歳牝馬のレイチェルアレクサンドラに6馬身も負けている。
今年の3歳牡馬陣のレベルに関しては、ちょっと疑問が残りますから、
メジャーG1戦3勝の実績を額面通り評価していいかは、
微妙なところだったとは思います」
「ただ、ジャパンCダートに米3冠戦の勝ち馬が
参戦するのは初めてでしたから、
どんな競馬をしてくれるか、非常に興味があった。
サマーバードが骨折でリタイアしてしまったことは、
心の底から残念です…」
ジャパンCダート、レース当日となる明日は、
合田さんの本命馬を発表します。お楽しみに!
(明日更新の第10回に続く)
構成・文/関口隆哉
1959年東京生まれ。慶應中学時代から馬術部に所属するかたわら、千葉新田牧場で「乗り役」としてのアルバイトをこなす。慶應大学経済学部卒業後、1982年テレビ東京に入社。『土曜競馬中継』の制作に携る。1988年テレビ東京を退職し、内外の競馬に関する数多くの業務をこなす(有)リージェントの設立に参加。
現在は、『世界の競馬』(NHK-BS)、『鈴木淑子のレーシングワールド』(グリーンチャンネル)などのキャスターも務めている。