ジョン・マコーマック氏プロフィール
1967年、アイルランド・ダブリン生まれ。
アイルランド・イギリス・アメリカ・オーストラリア・カナダの厩舎・牧場での経験後、ヨーロッパ大手サラブレッド商社・BBAアイルランドにてエージェントとして12年間勤務、10年前に独立。
日本関連ではこれまでに、シンコウフォレスト、タップダンスシチー等のGIウイナーを発掘。また繁殖ではウインドインハーヘアー(ディープインパクトの母)を日本に仲介。今年もすでに2回来日をしている知日派。
優れたジョッキーは、騎乗技術はもちろん、 その馬の現在の状態と未来の姿を的確に見抜く資質をも備えている。 そして、当然ながら努力も欠かさない。 |
―― 世界のトップジョッキーというのは、 いまは誰だといわれていますか? |
ジョン氏(以下J) | アメリカで言えば、ジョン・ベラスケス、ギャレット・ゴメス、 あと、個人的にはエドガー・プラードも好きですね。 ヨーロッパではフランキー・デットーリ。 あと、馬に乗るセンスだけであれば、 キーレン・ファロンでしょう。 彼は、手じゃなくて、 指先だけで馬を操ると言われています。 馬の言葉がわかる、感じられるんです。 もう、ポニーに乗っていた12歳ぐらいの頃から 彼だけはジョッキーとしての才能が飛び抜けていました。 ただ……。 まあそれ以上のコメントはカンベンしてください(笑)。 過去も入れていいんだったら、 スティーヴ・コーセンも挙げておきましょう。 フランキーでも、昔のウォルター・スゥインバーンでも、 馬の乗ることが上手いだけでなく、 この馬が、今現在、良い悪いということはもちろん、 6ヵ月後どうなっているか、 また、どういう馬であるべきか、 どういうチャンスがあるのか、 それを的確に調教師に報告できるんです。 そういう馬を見極めるセンスも優れているので、 評価が高いんですね。 |
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―― 他に挙げるとすれば? |
J | 香港のダグラス・ホワイトを忘れてはいけませんね。 彼も信じられないぐらいすごい。 2番手以下を大きく離していて、 まさに香港騎手界のサンデーサイレンスです(笑)。 先日、香港に行ってた時に、とあるトップトレーナーに 「なんで彼はあんなにすごいんだ?」 と聞いたんです。 そしたら、こういう答えが返って来ました。 「彼は、馬にすべてを捧げている。 もちろん、ジョッキーみんなそうなんだけど、 その度合いがズバ抜けている。 朝、調教のときから、 他の騎手がどういう馬に乗って、 どういう調教をしているのかを全部気にしてて、 香港中の馬のデータを、 インターネットとかビデオで 徹底的に調べ上げている。 気になる馬がいたら、さらに詳しくチェックする。 香港競馬に関わる人間の中で、 馬をもっとも詳しく知っているのがホワイトだ。 それを、チャンピオンジョッキーになっても続けていて、 『自分を負かせる人間はいないんだ』 という精神的優位さの中で競馬をしている。 気持ちでまず勝っている」 才能のある人間がいちばん努力をしているから、 ダントツの存在なんだと思います。 でも、香港では、 ようやく地元出身の上手い騎手が育ちつつあるんです。 というのは、ホワイトやミック・キネーンと 一緒に乗っているからなんですね。 一流ジョッキーと一緒に乗っていれば、 やっぱり腕は上がります。 いま、目覚しい勢いで上手くなっていますよ。 |
| (つづきは火曜日に更新します) 取材/J-horseman編集部 |
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