“キング・オブ・ボップ” マイケル・ジャクソンの死後に発表された、
アルバム 『MICHAEL』 には、
とある日本人バンドの楽曲が収録されています。
それは、細野晴臣、高橋幸弘、坂本龍一の3人からなる、
イエローマジックオーケスラ (YMO) の代表曲である
『ビハインド・ザ・マスク “BEHAIND THE MASK” 』。
アルバム 『MICHAEL』 に収録されているのは、
いまから30年近く前に、マイケル・ジャクソンが録音したヴァージョンで、
本来なら、全世界で1億枚以上を売った、
マイケルのスーパーヒットアルバム 『スリラー “Thriller” 』 に
収録される予定でしたが、
この曲が 『スリラー』 のアルバムコンセプトに合わなかった、
版権の問題でYMO側とマイケル側の折り合いが付かなかった
などの理由により、
マイケル・ジャクソン版 『ビハインド・ザ・マスク』 は、
長年に渡り、お蔵入りしていたのです。
日本の競馬界にも、YMOの名曲 『ビハインド・ザ・マスク』 を
馬名の由来とする、牝馬の一流競走馬がいます。
2000年のG3セントウルSを皮切りに、
2001年のG2スワンS、2002年のG3京都牝馬Sと
重賞レースを3勝した、ビハインドザマスクが、その馬。
G1タイトルには縁がなかったビハインドザマスクですが、
牝馬らしい切れ味抜群の末脚を駆使して、
鮮やかな差し切り勝ちを決めた、そのレース振りは、
マイケル・ジャクソンが歌う、『ビハインド・ザ・マスク』 同様、
本当に、“イケてる” ものでした。
さて、繁殖牝馬となったビハインドザマスクが、
2007年に出産した牝駒が、ルペルカリア。
この馬名は、現在の 「バレンタイン・デー」 の源流となった、
古代ローマの祝祭 「ルペルカリア祭」 から付けられています。
ルペルカリア祭は、結婚の女神ユノを崇拝する祝祭だけに、
古代ローマ帝国の若い男女たちが、
かなりオープンにイチャイチャと乳繰り合っていたそうです。
そして、性的な乱れを憂慮した、ローマ教皇が、
ルペルカリア祭を廃して設立したのが、
バレンタイン・デーということになります。
ちなみに、名牝ビハインドザマスクの娘ルペルカリアが生まれたのは、
もちろん、2月14日のことでした。
(次回は2月16日の水曜日にお届けします) 構成・文/関口隆哉