2011年の日本においては、あまり使われる表現ではありませんが、
もの凄い美人のことを 「スコぶる付きの美人」 と呼んだりします
英語では、こういう飛びきりの美人さんのことを
“アイフル (Eyeful)” という単語で表わすそうです。
1970年代の日本競馬界には、
この飛び切りの美人を指す英単語を馬名とした名馬がいました。
5歳になって本格化し、正月の金杯・東で重賞初制覇、
その後、5月のアルゼンチン共和国、11月の天皇賞・秋にも勝ち、
1976年最優秀古牡馬に選ばれたアイフルが、その馬です。
アイフルは、6歳となった1977年も活躍を続け、
中山記念、連覇となったアルゼンチン共和国杯と、
さらに2つに重賞タイトルを積み重ねました。
さて、美女を表わす “アイフル (Eyeful)” という英語が、
なぜ牡馬の名前に付けられたのか、不思議といえば、不思議な話です。
どうやら、その理由は、アイフルという馬名が本来の英単語からではなく、
当時流行していたテレビドラマ
『アイフル大作戦 (英語タイトルは “Eyeful” ) 』 に
由来していたからだと考えられます。
『アイフル大作戦』 は、競走馬アイフルが2~3歳だった
1973年4月から1974年5月にかけてTBSテレビ系で放映されました。
内容は、小川真由美演じる、探偵学校校長・岸涼子が、
秘書である伊吹 (谷隼人)、探偵仲間の南条 (杉浦直樹)、
警視庁の警部・桜田 (丹波哲郎) らの助けを受けながら、
毎週、様々な事件を解決していく、コメディ風味の強い推理劇。
岸涼子の武器は、熱いハートと行動力、
そして、お約束のお色気作戦ということになります。
大人気を誇った 『キーハンター』 の後番組となる 『アイフル大作戦』 は、
やや地味な印象もありましたが、
内容的には、高い評価を得たドラマでもありました。
ところで、CMなどでお馴染みの住宅販売会社 「アイフルホーム」 は、
競走馬アイフルと同じく英単語 “Eyeful” を、その語源としています。
一方、これまた有名な金融会社 「アイフル」 の方は、
“Affection (愛情)”、“Improvement (進歩)”、“Faithfulness” (信頼)、
“Unity (結束)”、“Liveliness (活気)” の頭文字を繋げたそうです。
(次回は1月12日の水曜日にお届けします) 構成・文/関口隆哉