“Believe (ビリーヴ)”というタイトルが付く、J-POPの楽曲は非常に多く、
古いところでは、TVドラマ 『痛快! OL通り』 の
主題歌にもなった、渡辺美里版 (1986年)、
少し古いところでは、美しい旋律を持った、
スケールの大きなバラードである、MISIA版 (1999年)、
最近では、映画 『ヤッターマン』 のテーマ曲でもある嵐版 (2009年)が、
いずれも大ヒットを記録しています。
このほかにも、テレビアニメの主題歌だった玉置成美版 (2003年)、
テレビドラマのテーマ曲でゴールドディスクを獲得したAI版 (2006年)、
マニアックなファンが支持する岡村孝子版 (1988年) など、
“Believe” というタイトルが付いたJ-POPは、
それなりに知られたものだけで、30曲近くもあるそうです。
上記の “Believe” を歌った方々の大半が女性ですが、
競馬の世界を代表するビリーヴも、やはり牝馬でした。
2002年のスプリンターズS、2003年の高松宮記念と
スプリントG1競走を連覇した、ビリーヴがその馬。
G1・2戦を含む重賞4勝を、すべて1200m戦でマークしたビリーヴは、
その馬名の意味通り、“短距離戦なら誰にも負けない” という
「信念」 を貫いた競走馬でもありました。
現役を引退したビリーヴは、米の超名門牧場である
ケンタッキー州レーンズエンドファームに移ります。
そして、レーンズエンドファームのスタリオンで供用されていた
キングマンボ (Kingmambo) を付けて、誕生したのが、
2008年のG2阪神Cで2着、2009年のG1安田記念で3着している
現役馬ファリダット (Faridat) ということになります。
“Faridat” は、アラビア語で 「宝石」 という意味。
世界的名種牡馬である父と、
日本競馬きっての名牝である母との間に生まれたファリダットの血統は、
まさに宝石の如く、煌びやかなものですが、
これまでの競走生活を振り返ると、
ここ一番の勝負に弱い、お坊ちゃま体質が抜け切れていないようです。
さて、ビリーヴが繁殖生活を送っているアメリカでも、
“Believe” というタイトルのナンバー1ソングが誕生しています。
それは、アカデミー賞を獲得した名女優でもある、
ベテランシンガーが歌ったシェール (Cher )版 (1998年)。
シェールの “Believe” は、米だけでなく、
欧州など世界各国を席捲する、ウルトラ大ヒット曲となり、
米音楽界の祭典、グラミー賞でもタイトルを得ています。
日本に負けず劣らず、“Believe” 運 (?) が良い
米で繁殖牝馬となったビリーヴ。
シェールが放った大ヒット曲のように、
世界の競馬界で大旋風を巻き起こす産駒を
是非とも送り出して欲しいものです。
(次回は10月6日の水曜日にお届けします) 構成・文/関口隆哉