2011年07月26日
こんにちは。
7戦7勝と無人の野を疾駆するフランケルのお話しをしています。
最近ではザルカヴァが7戦不敗で凱旋門賞を制していますが、
イメージ的にかぶるのはブリガディアジェラードでしょうか。
1970年代初頭に18戦17勝と大活躍を演じたこの名馬は
3歳時はマイル路線に的を絞ってを走り、
英2000ギニー、セントジェームズパレスSを連勝して
サセックスSに駒を進めたところはフランケルとまったく同じです。
2000ギニーではその年にダービー、キングジョージ、凱旋門賞と
俗に言う “欧州三冠馬” ミルリーフを3馬身もちぎっています。
ブリガディアジェラードを管理したウィリアム・ハーン調教師は、
エリザベス女王の専属トレーナーを長年にわたって務め、
ディープインパクトの曽祖母ハイクレアも手がけています。
女王専属を辞してからもドバイのハムダン殿下とタッグを組み、
ナシュワンでダービー、キングジョージを制した辣腕です。
ハーン師はブリガディアジェラードのレース選択に慎重で、
サセックスSを大差勝ちしてもマイル路線を出ることはありません。
ようやく3歳最後の英チャンピオンSで2000mを試すと、
徐々に距離に慣れさせ15戦目にキングジョージに挑戦します。
ここも難なくクリアしてリボーなどが保持していた
デビュー16連勝のヨーロッパ記録に後一歩まで迫りました。
結果はロベルトの逃げを捉え切れず2着に敗れましたが、
ヨーロッパ中が熱狂したのは言うまでもありません。
ちなみにロベルトには何の罪もないのですが、
彼は “世紀の悪役” として競馬史に名を残すことになります。
フランケルのヘンリー・セシル調教師が
ハーン師とブリガディアジェラードを意識しているのかどうか、
でもファンとしては重ね合わせて見たくなるのが人情です。
レースを選びに選んで成長を促しながら未知の領域に挑戦する、
そんな名馬に育ってほしいものです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
でも、今回のライバル・キャンフォードクリフスは相当に強い。
女帝ゴルディコヴァとビッシリ叩きあって競り落とした
前走クイーンアンSの走りは凄みすら感じさせました。
貴公子ブリガディアジェラードを負かして “悪名” を轟かせた
ロベルトはヘイルトゥリーズンの直仔という血統でした。
キャンフォードクリフスも父タグラから3代さかのぼって
ヘイルトゥリーズンに至る父系に属しています。
また新しいドラマが生まれるのでしょうか。