2009年11月27日
こんにちは。
90年代の海外遠征馬は強かったというお話をしています。
きょうは96年のドリームレースの話題です。
1人気のエリシオは凱旋門賞馬の勲章を下げてやってきました。
史上初の3歳の天皇賞馬バブルガムフェローが2人気。
つづくペンタイアは前年のキングジョージでラムタラにクビ差2着。
ラムタラは2戦目のダービー、キングジョージ、凱旋門賞と
4戦4勝で“ヨーロッパ3冠”を制した歴史的名馬ですね。
でも、もともと大差でちぎって勝つようなタイプではないようで、
ダービーも凱旋門も1馬身差の勝利でしたが、
神の馬にもっとも近づいた馬がペンタイアだった
という事実は永遠に残ります。
この年はキングジョージを堂々と勝利しての参戦になります。
4人気のシングスピールはブリーダーズCターフ2着から転戦、
ストラテジックチョイスは愛セントレジャーの勝ち馬です。
ちょっと日本馬では太刀打ちできないかも・・・、
と弱気の虫がわいてきそうな強豪ばかりですね。
この身の毛もよだつような怪物たちに、
真っ向みじん、果敢に挑んだ馬がいました。
秋華賞を勝ったばかりの3歳牝馬ファビラスラフインです。
的場均騎手のカネツクロスが先導する緩みのないペースを
ペリエ騎手のエリシオ、クィン騎手のストラテジックチョイス、
松永幹夫騎手のファビラスラフイン、
岡部幸雄騎手のバブルガムフェローがひとかたまりで追走し、
直後でデットーリ騎手のシングスピールが虎視眈々と末脚にかけます。
直線はこの先行した実力馬同士の力比べになりました。
まずバブルガムが脱落気味となり、その瞬間をついて
ファビラスが一完歩、二完歩と抜け出しをはかります。
エリシオとストラテジックは互いに馬体を接して譲りませんが、
ファビラスとは脚勢が違います。
史上初の3歳牝馬によるJC制覇が成った、と思った瞬間、
外からシングスピールが襲いかかりハナ差だけ前に出ます。
デットーリ騎手は、このあと02年のファルブラヴ、
05年のアルカットで3度JCを制していますが、
いずれもハナ差の勝利です。
レッドディザイアには大叔父ベルメッツの仇討ちがかかっている、
そんなお話しをきのうしました。
今度は調教師松永幹夫が騎手松永幹夫の仇を討つ、
ファビラスラフインの無念を晴らすためにも
レッドディザイアの乾坤一擲の走りに期待したいものです。
エリザベス女王杯をスキップしてJCに挑むディザイア、
彼女とJCの間は目に見えない糸で繋がれているのでしょうか。
きょうも来てくださってありがとうございます。
合田直弘さんの『海の向こうの競馬、そしてホースマン5』が
詳細なJC外国馬情報を届けてくれます。
『競馬新聞の◎をチェック!』は夕刻ごろの更新になります。
どうぞよろしくお願いします。