2011年08月12日
こんにちは。
凱旋門賞に挑戦するチームニッポンがパリに到着しました。
今年の凱旋門賞は飛び抜けた大物はいないけれども、
けっこう粒ぞろいで横一線の伯仲戦といった印象です。
向こうの人には気になる馬がゾロゾロいて、
日本馬への評価が上がってこない原因のひとつになっています。
力の差はオッズに見られるほどじゃないと思っています。
さて、ヴィクトワールピサについては語り尽くされた感じですが、
現地ではヒルノダムールの評判がまったく聞こえてきません。
ヨーロッパとのご縁という面ではかなり深い馬なのですが。
母シェアエレガンスはご存じの凱旋門賞馬ラムタラ産駒ですね。
祖母メアリーリノアはフランスで走り、
2歳牝馬G1のマルセルブサック賞の勝ち馬になっています。
その父レミグロンも仏2000ギニー、リュパン賞を制し、
仏ダービーはカーリアンの2着に健闘した一流馬でした。
メアリーリノアの母父にブリガディアジェラードの名が見えます。
生涯18戦17勝2着1回と70年代を代表する名馬です。
しかしブリガディアジェラードは種牡馬としては失敗しました。
一説によるとオーナーが牝馬の質を吟味するのではなく、
自分の好き嫌いでシンジケートの株を分けたからだと言いますが、
真相は今となってはよく分かりません。
でも、希少となった名馬の血がヒルノダムールに流れています。
レミグロンも種牡馬としてG1馬はメアリーリノアだけ、
ラムタラに至っては期待とはかけ離れた結果に終わっています。
細々と繋いできた名馬たちの希少な血脈が、
サンデーサイレンス系との出会いで爆発的によみがえった、
ヒルノダムールの血統的特徴を一口に言えばそうなります。
欧米では極端に低くしか評価されない天皇賞・春ですが、
彼の本質がステイヤーにあるわけではないのはもちろんです。
ダービーと菊花賞で大敗しているように、
上がりの速い瞬発力勝負に弱みを抱えているのは確かですが、
天皇賞のような消耗戦になれば持久力に富んだ末脚が生きてきます。
母系に流れる脈々たるヨーロッパの血が後押ししてくれるはずです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
ヴィクトワールピサ、ヒルノダムール、ナカヤマフェスタが
予定しているフォア賞は9月11日、後1ヶ月を切りました。
ナカヤマナイトが出走予定のニエル賞も同日に行われます。
海のあちらとこちら、猛烈に忙しい秋になりそうです。