2009年10月05日
こんにちは。
海外では凱旋門賞がおわったところです。
くわしいご報告と戦評は合田直弘さんの
『海の向こうの競馬、そしてホースマン3』をご覧いただくとして
日本は秋のG1シリーズがはじまったばかり、
今週は天皇賞、ジャパンCへの最終トライアル
毎日王冠と京都大賞典が行われます。
競馬の楽しみはひとりひとり違うのでしょうが、
毎日王冠のベストレースといわれたら多くの方々が
1998年を指名するのではないのでしょうか。
1番人気は4歳初戦からG1宝塚記念制覇まで
怒涛の5連勝で臨んだサイレンススズカ。
2番人気と3番人気を3歳馬2頭が
G1・NHKマイルCを含め5戦5勝のエルコンドルパサーと
G1朝日杯フューチュリティSのレコード勝ちなど
4戦4勝のグラスワンダーがわけました。
こんなに豪華なレースはめったに見られるものじゃありません。
しかしレースはあっさり決着します。
誰もサイレンススズカの華麗なスピードについていけません。
エルコンドルパサーは2馬身半差の2着がせいいっぱい、
3着はそこから5馬身突き放されたサンライズフラッグ、
グラスワンダーは朝日杯以来がこたえたのか5着でした。
ご承知のようにサイレンススズカは次走の天皇賞で
悲劇に見舞われてしまいましたが、
結果的にエルコンドルパサーがその年のジャパンCを
グラスワンダーが有馬記念を制したことからも、
毎日王冠史上のみならず日本の競馬史に
偉大な足跡を残した名レースだったと思います。
ちなみにサイレンススズカはエルコンドルパサーに先着した
唯一の日本調教馬ということになります。
翌年フランスに遠征したエルコンドルパサーは
緒戦のG1イスパーン賞でクロコルージュに惜敗しますが、
この馬には凱旋門賞できっちり借りを返しています。
2戦目のG1サンクルー大賞も非常にハイレベルなメンバーで
凱旋門賞馬サガミックスや愛仏ダービー馬のドリームウェル、
歴戦の勇者タイガーヒルなどを完封して欧州G1を制覇します。
結局、エルコンドルパサーがリベンジを果たせなかったのは、
彼の引退レースとなった凱旋門賞の勝ち馬モンジュー、
そしてサイレンススズカだけでした。
サイレンススズカ、風のような馬でした。華のある馬でした。
きょうも来てくださってありがとうございます。
今週もJ-horsemanは
競馬のちょっといい話を中心にお伝えしてまいります。
どうぞよろしくお願いします。