2009年11月24日
こんにちは。
きのうは “日の丸特攻隊” サクラシンゲキの
真一文字の大逃走からJCの歴史がはじまったというお話をしました。
ところが1回目、2回目も日本最先着は5着でゴールドスペンサー、
ヒカリデュールともに地方出身馬ばかりです。
中央のエリート馬のプライドも粉々に砕けて、
評論家の中には
「この先100年は勝てない」
と悲観的な論評をする方もいらっしゃいました。
3回目を迎えた83年、
日本中の期待を集めたその年の三冠馬ミスターシービーがJC回避を決めて
ますます悲観的な空気が漂う歓迎レセプションの席で
『私の馬が日本代表としてあなた方のお相手をしましょう』
キョウエイプロミスの高松邦男調教師は
海外ホースマンや報道陣に向かってこう言い切ったそうです。
前走の天皇賞でG1馬の仲間入りをしたばかりのプロミスと
開業4年目の若手調教師のコンビですが、
栄誉ある天皇賞を制した烈々たる気概と誇りがいわせた言葉なのでしょう。
ホースマンスピリットが伝わってきます。立派だと思います。
そしてレースは高松調教師の言葉どおり、誇りをかけた壮烈な叩き合いとなり、
柴田政人騎手のキョウエイプロミスは首差の2着に差し返します。
日本馬がはじめて勝負になった瞬間でした。
しかしそこが彼の競走馬としてのゴールにもなってしまいました。
レース中に右前脚を骨折しており、彼はそのまま引退します。
気の毒な結末になっていましたが、彼の命がけの激走がなければ、
日本のホースマンは誇りを失ったままだったでしょう。
キョウエイプロミスと高松邦男調教師の
日本の競馬に対する功績は計り知れないものがあると思います。
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