2010年04月14日
こんにちは。
きょうも来てくださってありがとうございます。
三冠の第1関門・皐月賞が刻々と迫ってきました。
藤澤和雄調教師が著書 『G1の勝ち方』 でこう語っています。
馬というものはスペシャルな馬以外は、
コンスタントに力を出せないことが多いものだ。
皐月賞にしても2回やれば2回勝ち馬が違うかもしれない。
オープン馬が未勝利レースに出るわけじゃないから、
スペシャルな馬がいなければ、常に混戦になるのだ。
競馬発祥の地イギリスでは18世紀までは
ヒートレースという形態が主流だったそうです。
この競走は同じメンバーが複数回を走り、
同じ馬が2連勝または3連勝するまで勝負がつづきます。
1回の勝負を1ヒートと呼び
1ヒートの距離は2マイルから4マイルまでが普通で、
短いものでも天皇賞・春と同じ距離を2度、3度…、
勝負がつくまではてなしなく走りつづけるわけです。
現在では考えられない苛酷なものでした。
19世紀になると動物愛護などの理由で中止されますが、
ヒートレースの根幹にある思想は1回きりのレースでは
本当の強さは証明されたとはいえないという
勝負に対する厳しすぎるほどの倫理(モラル)でしょうか。
ヒートレースが全盛を誇っていた1700年代の後半、
まず76年に1回こっきりで勝負を決めるセントレジャーが、
4年後の1780年にダービーが誕生します。
そして19世紀に入り2000ギニーが創設されるに及んで
現在につづく三冠の体系ができあがります。
1回だけのレースでは決められない、
三冠もしくは二冠を制してこそ世代最強馬なのだと、
当時のイギリス人は考えたのでしょうか。
ヒートレースへの郷愁がそうさせたのでしょうね。
でも同じ場所、同じ距離、同じメンバーのヒートレースより、
コースも距離も相手も違ってくる現代の三冠レースのほうが、
別の意味では厳しいといえるかもしれません。
このつづきは、また明日お送りしたいと思います。
『馬名ミュージアム』を更新しました。
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