2010年04月20日
こんにちは。
競馬は格闘技。格闘技といって悪ければ、
一瞬の判断を実行に移す勇気が試される修羅場、
皐月賞のヴィクトワールピサと岩田康誠騎手を見ていて
そんな思いがわいてきました。
海外の大レースではヴィクトワールと岩田騎手がしたように
内を切り裂くように伸びてくるシーンにお目にかかります。
凱旋門賞のシーザスターズやザルカヴァもそうでした。
神技と禁じ手が紙一重という見方もあるのでしょうが、
大レースで勝つにはこうした勇気が必要なのでしょう。
乗り手の勇気に応える馬の末脚あってこその話なのですが、
ヴィクトワールも偉いし岩田さんも立派だったと思います。
岩田康誠騎手は “男気の人” だと思います。
こんな話を聞いたことがあります。
あるオーナーのご子息の結婚式に招かれた岩田さんは、
あいにく当日に地方交流競走に騎乗馬があり、
遠路のことでもあり式に出席できなかったそうです。
鞭一本、親の死に目にも会えないのがジョッキー稼業です。
これは誰も責められません。・・・ところが翌日、
岩田さんは頭を丸刈りにしてそのオーナーに詫びたそうです。
人と人とのつながり、人の心を大事にする人なのでしょう。
レース後に市川義美オーナーと抱き合って号泣する岩田さん、
特別な思いがあったのでしょうね。
ヴィクトワール以前の市川さんの代表格はフェラーリピサ、
その主戦騎手が岩田さんでした。
エルムSと根岸Sで初の牡馬重賞をプレゼントした馬です。
凄いメンバーがそろった09年フェブラリーS、
フェラーリと岩田さんは2番人気に支持されますが、
サクセスブロッケン、カジノドライヴ、カネヒキリ、
そしてエスポワールシチーにつづく5着に入線します。
当代一流の強豪を相手に堂々たる走りでしたが、
岩田さんには自分で納得できない無念さが残ったのでしょう。
皐月賞後の検量室前での涙はそんなあれこれが
走馬灯のように思い出されたのでしょうか。
いずれにせよ日本の競馬史に刻まれるような
みごとなレースだったと思います。
きょうも来てくださってありがとうございます。
今週も素晴らしいレースの数々を堪能したいですね。