2010年06月02日
こんにちは。
今週は “記憶に残る” マイラーのお話をしています。
さて、1999年という年は蛯名正義騎手にとって
忘れられない濃密な1年間だったと思います。
エルコンドルパサーとともにフランスに渡り、
G1サンクルー大賞を快勝し、G2ファア賞を2着、
凱旋門賞で強豪モンジューに半馬身差に健闘しました。
3着馬のクロコルージュはそこから6馬身ちぎられています。
モンジューとエルコンの力が抜けているのは明らかでした。
1999年のこの出来事は日本競馬史に刻まれるのでしょう。
さて、この年、蛯名騎手は大きな仕事をいくつもしています。
オークスを人気薄のウメノファイバーで鋭く追い込み、
同期の武豊騎手の人気馬トゥザヴィクトリーを破っています。
このレースから1週間おいての安田記念、
蛯名騎手は4番人気のエアジハードで臨むことになります。
圧倒的な王者の風格をただよわせるグラスワンダー。
有馬記念勝ち後、前走の京王杯スプリングCで
エアジハード以下を並ぶことなく差し切って、
マイラーとしての適性の高さを証明しています。
前走のような形では10回走っても勝てない、
蛯名騎手はそう腹をくくったのでしょうか。
いつもは先行するエアジハードを中団に待機させます。
抜け出すグラスワンダー1頭に的を絞った直線勝負です。
壮烈な2頭の叩き合いはジハードがハナだけ制します。
男が腹をくくって臨んだ、立派なレースだったと思います。
きょうも来てくださってありがとうございます。
さて、ことしの安田記念、エアジハードの数少ない産駒から、
ショウワモダンが出走してきますね。
このつづきはあすお届けしたいと思います。
『馬名ミュージアム』を更新しました。
こちらも、ぜひお楽しみください。
どうぞよろしくお願いします。