2011年01月15日
こんにちは。
3歳馬を中心に人気のある有力馬が次々と引退するというのが、
欧米のシーズンオフの風物詩(?)になっています。
とくに今シーズンのアメリカは大変に深刻な状況になっています。
2年間にわたってアメリカの競馬人気を牽引してきた
ゼニヤッタ、レイチェルアレクサンドラのスーパー牝馬に加えて、
次代を担う3歳勢もほとんどが引退を決めています。
いったいどうなってしまうのかと心配していたら、
またまたバッドニュースが飛び込んできました。
昨年6戦6勝でBCジュベナイルフィリーズを勝った
オーサムフェザーが屈腱炎で休養に入ってしまったそうです。
ケンタッキーオークスとか春シーズンは間に合いそうにもなく、
期待の新星の挫折に全米がガッカリしています。
もともとアメリカは早い時期からガンガン使って、
その厳しいサバイバルレースを勝ち抜いたものだけが
大きな名誉と経済的付加価値を手にすることができる、
極めて分かりやすいシステムが基本になっています。
それゆえ故障などで脱落していく馬も毎年なのですが、
サバイバルに生き残ってこそ真の勝者なのだという思想は、
そう簡単に変わったりはしません。
その背景には毎年3万頭を超える生産の裾野の広さがあります。
世界一の生産頭数と質を維持するためには、
優秀な種牡馬と繁殖牝馬、そこからさらに良質な馬を選び出す
キーンランドなど磨き抜かれた競り市の先進的なシステムなどが
うまく噛み合って機能しなればなりません。
そのために優秀な牡馬は早くに牧場に上がることになります。
価値を傷つけないために必要以上に早く上げるという
馬主サイドの思惑が働いている面もあるのでしょうね。
ブリーダーズCなど特別なレースを除けば、
G1でも驚くほど賞金が安い現実が早期引退を後押しします。
走らせるよりは種牡馬ビジネスがリスクが低いからでしょう。
きょうも来てくださってありがとうございます。
こうしたアメリカで起きている現象がさらに進むとどうなるか?
この続きは、あす考察してみたいと思います。