2011年02月09日
こんにちは。
日本に輸入されたリファール系種牡馬の初期代表格はモガミです。
前にもご紹介したようにシンボリの和田さん、メジロの北野さん、
日本を代表するホースマンが現役時代から共同所有し、
引退後はすぐ日本に連れてきた期待の種牡馬でした。
期待どおり初年度からダービー馬シリウスシンボリを出し、
2年目には牝馬三冠メジロラモーヌが素晴らしい活躍を見せます。
しかし、この輝ける新種牡馬にも泣きどころがありました。
“気” で走るリファール系らしいといえば、らしいのですが、
とにかく気性が烈しい、荒いといっていいほどだったそうです。
その代表格がジャパンCを勝ったレガシーワールドでしょうか。
レガシーワールドはモガミが父で母の父はリボー系ジムフレンチ、
どうやら父系、母系双方から気の悪さを受け継いだようです。
栗東の戸山為夫厩舎からデビューすることになります。
同期には後の二冠馬ミホノブルボンがいました。
両馬は “戸山流” といわれる坂路主体のハード調教を積み重ねます。
ブルボンはスプリンターというもっぱらの評判でしたが、
戸山調教師に鍛えに鍛え抜かれ距離を次々と克服、
皐月賞、そしてダービーまで無敗のまま勝ち抜きます。
ところがレガシーは2歳時5戦5敗とまったく競馬になりません。
骨折のおまけまでもらって長い休養に入ってしまいました。
ダービーがとうに終わった7月の福島に帰ってきたレガシー、
戸山調教師の決断でせん馬になっていました。
復帰緒戦も気の悪さを出して出走除外となり先行き暗澹?
と思ったら次の未勝利戦をクビ差でしのぎ切ると、
一夏で順調に勝ち星を積み上げオープン入りを果たします。
よほど走る素質が高かったったんでしょうね。
福島、函館を転戦して次の舞台は中山G2セントライト記念。
さすがに荷が重いだろうと思われたのですが、
ライスシャワー以下をあっさり負かしてしまいます。
その5週間後の菊花賞で僚馬ブルボンの三冠を阻止した馬です。
せん馬レガシーには出走資格がなく想像するしかありませんが、
もし出ていたら、どんな勝負になったのでしょうか?
古馬相手にオープン2連勝、ジャパンC4着、有馬記念2着、
3歳馬としては凡庸な成績ではありません。
きょうも来てくださってありがとうございます。
パドックを周回するのがやっと、生涯返し馬ができなかったという
“希代の荒馬” レガシーワールド、
明日は充実の4歳時のお話をさせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。