2011年02月25日
こんにちは。
どことなく春めいてきました。いかがお過ごしでしょうか。
春といえば桜、月が替わる来週には桜花賞トライアルの
チューリプ賞が組まれており、春競馬本番のムードです。
さて、1966年4月10日の桜花賞のお話をします。
出馬表に並んだ馬名がちょっと異様な連想をさせました。
“幽霊の子” や “走るお墓” が人気を集めていたからです。
“幽霊の子” とはワカクモ、テンポイントのお母さんになる馬です。
その母クモワカは伝貧の疑いで殺処分命令が出されにもかかわらず、
関係者が匿いつづけ死んだはずなのに生きつづけていました。
だから “幽霊の子” 。
でもワカクモは伝貧の疑いが晴れた年の子で
ちゃんとサラブレッド登録された競走馬です。
“走るお墓” はメジロボサツという馬名を持っていました。
生後すぐに母メジロクインと死に別れ、
デビュー直前には父モンタヴァルも死んでしまいます。
390キロ台の小柄な馬体に不幸な生い立ちを背負って
懸命に走る姿に人々は健気さを感じたのでしょうね。
レースはクモワカがそれこそ幽霊のようにインを抜け出し
メジロボサツはクビ、ハナ差の3着に敗れます。
オークスも雨中決戦となりヒロヨシの大逃げの前に2着、
どことなく不運の影をひきづっているように見えました。
それから21年後、“走るお墓” の曾孫メジロドーベルが
桜花賞こそ2着でしたが、オークス、秋華賞を勝ち、
古馬になってもエリザベス女王杯連覇など大活躍します。
繁殖牝馬としてはこれまで牝馬ばかり4頭出していますが、
うち2頭は未出走、他の2頭も1勝を上げた程度に終わっています。
明日の中山新馬戦にドーベル初の牡駒がデビューします。
父ディープインパクト、馬名をメジロダイボサツといいます。
メジロ牧場の方々にとってボサツは愛着が深くて、
大事な上にも大事で、そして縁起のいい名前なのでしょうね。
期待の高さや大きさが伝わってきます。
きょうも来てくださってありがとうございます。
ところで同じ新馬戦に、もう1頭の良血馬がスタンバイしています。
父ディープインパクト、母スカーレットブーケ、
ダイワメジャー、ダイワスカーレットの半弟に当たります。
ピカソという偉大な芸術家の名前をもらっています。
大菩薩が勝つのか、アーティストが強いのか、それとも?