2011年03月02日
こんにちは。
明日は川崎競馬場でのエンプレス杯が行われます。
エンプレスは女帝という意味で牝馬限定のレースですが、
もともとはキヨフジ記念の名称で親しまれていました。
キヨフジは1948年生まれで地方競馬初期の名牝です。
父が不動のリーディングサイアーの大種牡馬クモハタ、
兄は中山記念の勝ち馬トサホマレ、
兄に中山記念のトサホマレ、
姉シマタカラはオークス2着と文句のない超良血馬です。
戦後間もない頃は地方競馬が空前の盛り上がりを見せた時代でした。
娯楽の極端に少ない時代、ウインズもなかった頃です。
人々は余暇の時間を手近なパチンコや地方競馬で楽しんでいました。
国営競馬 (現JRA) は地方に押され存続の危機に陥ったそうです。
華やかだった地方に良血馬が集まるのも珍しくなかったようです。
現在とは真逆な状況だったのですね。
キヨフジは東京の名門・田中和一郎厩舎に移り国営競馬に転戦、
そして当時は秋に行われていたオークスを制覇します。
地方出身馬による史上初のクラシックホースの誕生でした。
ちなみに田中調教師はこの年の春はダービーと皐月賞を
伝説の名馬・トキノミノルで勝っており、
ダービー直後に亡くなったトキノミノルの弔い合戦になりました。
その後、再び川崎に戻ったキヨフジは元気に走り続け、
通算84戦23勝という成績を残し繁殖に上がります。
この翌年、55年に新設されたのがキヨフジ記念です。
エンプレスというおしゃれな名前もいいのですが、
中央馬に馬場を貸すだけと言われかねない現状を思うと、
地方馬が対等以上の立場で中央のターフを駆けた、
そんな時代があったんだと発奮の材料にするためにも、
キヨフジ記念というレース名の重さを記憶にとどめておきたいです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
今年のエンプレス杯、ラヴェリータ、ミラクルレジェンド、
手を拡げても昨年の覇者ブラボーディジーまででしょうか。
中央馬の大攻勢に地方馬も何とか頑張ってほしいのですが。
『馬名ミュージアム』 を更新しました。
こちらもチェックしてみてください!