2011年05月17日
こんにちは。
《競馬の神様も見捨ててはいなかった》
と大久保洋吉調教師がつぶやいたように、
今月20日付で競馬界から撤退するメジロ牧場の中央ラストランを
日曜新潟4Rの未勝利戦でメジロコウミョウが見事に飾りました。
メジロコウミョウは父キングカメハメハ、母メジロルルドの血統で、
祖母メジロドーベルから、その曽祖母メジロボサツを経て、
メジロ牝系の祖メジロクインにたどり着くことができます。
その間にはメジロ固有の血がさまざまに織り込まれており、
まさにメジロ血脈の本流として語り継がれることでしょう。
コウミョウは静岡県にある古代古墳の光明山が由来と聞きます。
メジロの偉業を後世に伝える役割を自覚したような馬名ですね。
さて、このメジロ牝系の特徴は壮大なコラボレーションにあります。
偉大な祖母メジロドーベルの父メジロライアンの母系は
確かにメジロ血脈で固められていますが、
その父はシャダイ系のアンバーシャダイでしたね。
ドーベルの母の父はシンボリ牧場のパーソロンです。
メジロ牧場創業者の北野豊吉さんは
シャダイの吉田善哉さん、シンボリの和田共弘さんと親しく、
双方の良いところを取り入れて独自のメジロ血脈を築き上げました。
3人の偉大なホースマンの壮大な夢が結実した血統なのです。
遂にダービーは勝てなかったメジロ牧場ですが、
オークスは1966年に北野さん個人所有のメジロボサツが2着、
なんと3着にはメジロマジョルカがクビ差で続きました。
その翌年にメジロ牧場が正式に産声をあげることになります。
マジョルカは繁殖に上がり天皇賞馬メジロタイヨウの母となります。
勢いがありました。
メジロの天下はすぐそこにあるように思えました。
しかし宿願を果たしたのは20年後、メジロラモーヌです。
ずいぶんと時間はかかりましたが、その分ご褒美も多くて、
彼女は史上初の牝馬三冠に輝きメジロの名を高めました。
そして97年にはメジロボサツの曾孫メジロドーベルの番です。
ドーベルの父メジロライアンは天皇賞馬メジロティターンが叔父、
メジロファンには宝物のような血統です。
ドーベルの現3歳メジロダイボサツはまだ結果が出ていませんが、
いつかこの牝系から大物が出現してほしいものです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
今週のオークスにメジロの影はありませんが、
来週のダービーには母の父メジロマックイーンという
オルフェーブルがおそらく1番人気で登場します。
メジロの名は消えても、その血は引き継がれていきます。