2011年05月18日
こんにちは。
日本ダービーに “フランキー” デットーリ騎手が参戦するようです。
現3歳馬からJRAの馬主資格を認められた国外居住馬主である
ドバイ首長・モハメド殿下の所有馬デボネアに騎乗するためです。
こんな夢のように素敵なことが起きるなら、
もっと早く規制緩和してほしかった、これがファンの本音でしょう。
単勝か、2着・3着付けか、馬券は確実に売れるでしょうね。
外国人騎手なしには日も夜も明けぬ昨今の競馬界ですが、
彼らがファンに絶大な信頼を寄せられるようになったのは、
そんなに昔の話ではありません。
最初のきっかけは21世紀を迎えた2001年のオークスでしょうか。
4月末から5月にかけて欧米では本格的な競馬シーズンに突入します。
一流騎手は訪日のスケジュールを組みにくい時期と言えます。
天皇賞、オークス、ダービーなど5月開催のG1に
外国人ジョッキーの姿が少ない理由でしょう。
ところが2001年、その年にはケント・デザーモ騎手が
不治の病と闘う愛息ジェイコブ君に付き添うため滯日していました。
彼の主戦場であるアメリカでは、今日は西海岸、明日は東海岸、
ときにはヨーロッパ遠征も珍しくない日々が続きます。
家族との時間を犠牲にすることが当たり前のようになっています。
でも日本のトレセンなら調整ルームに入る週末以外は
ジェイコブ君と一緒に過ごすことが可能になります。
史上最年少で通算3000勝を達成し、前年にもフサイチペガサスで
自身2度目のケンタッキーダービー制覇を成し遂げた、
まさに旬の天才ジョッキーが、そのとき日本にいたのです。
主戦の蛯名正義騎手も、予定していた横山典弘騎手も確保できず、
たまたま空いていたデザーモ騎手を鞍上に迎えたのが、
第62回オークスを制覇することになるレディパステルでした。
本来ならいるはずもない超一流ジョッキーがたまたま日本にいて、
たまたまレディパステルというパートナーを得て、
史上初の外国人騎手によるクラシック制覇を成し遂げたのです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
ケント・デザーモのオークスからちょうど20年がたちました。
あれから日本と海外の騎乗技術のみならず騎乗精神の差は、
いくらか縮まってきているのでしょうか。
『馬名ミュージアム』 を更新しました。
もちろん今回の登場馬はオークス馬。
強くて美しいアノ馬のお話ですので、のぞいてみてください。