2011年05月27日
こんにちは。
先週もお話ししたのですが、
海外もシーズン真っ盛りのこの時期に外国人騎手の参戦は希少です。
そろそろシーズンオフが近い南半球オーストラリアのジョッキー
過去にはダミアン・オリヴァー騎手、グレン・ボス騎手、
最近でいえばクレイグ・ウィリアムズ騎手が参加する程度です。
欧米となると家庭の事情で滞日を続けたケント・デザーモ騎手や
皐月賞を勝ったためにダービーもスポット参戦することになった
ネオユニヴァースのミルコ・デムーロ騎手くらいです。
ところが今年はトンデモナイことが実現してしまいます。
モハメド殿下の日本での所有馬デボネアに
殿下が率いるゴドルフィンの主戦ランフランコ・デットーリ騎手が
騎乗するために来日するというのです。
考えてみれば向こうでは当たり前のことなのですが。
ご承知のように欧米では馬主と騎手の関係が強くて、
一流ジョッキーはたいていオーナーと契約をかわしています。
専属契約もあれば、最優先契約という形もあります。
デムーロ騎手がジャパンCでヴィクトワールピサに乗れなかったも、
ドバイワールドCでブエナビスタにスミヨン騎手ではなかったのも、
こうした契約が優先されたからですね。
ジョッキーたちは契約に従って、昨日はイギリス、
今日はアイルランド、明日はフランスと飛び回っています。
オーナーの馬が香港で出走すれば鞭1本で駆けつけます。
これが向こうではごく当たり前の光景になっています。
ところが日本では外国人騎手の技量が絶賛される割には、
そうした当たり前の光景の仲間入りができていません。
海外居住馬主の規制は緩和されましたが、まだ厳しいですね。
所有馬5頭のうち外国産馬は1頭だけとか、
日本で馬産ビジネスに参入する強い意思がある
ムハマド殿下のような方でないと相当に無理があります。
それなら向こうから遠征してくれば良いじゃないか?
重賞は国際レースとして開放されているのは事実ですが、
検疫の問題とか、騎手の短期免許とかハードルはまだ高いですね。
器つくって魂はいらず、というのが現状でしょうか。
今回のムハマド殿下とデットーリ騎手の決断は、
こうした現状に風穴を開けてくれるかもしれません。
強い馬たちが優れた騎手たちによって最高のレースを演出する、
これがファンが見たい競馬なのですから。
きょうも来てくださってありがとうございます。
それにしてもデボネアの馬券は売れるんでしょうね。
デボネアとデットーリ騎手のサプライズコンビ、
JRAが生んだ今年最高のヒット商品になるかもしれません。