2011年06月16日
こんにちは。
昨夜のロイヤルアスコットはプリンスオブウェールズS、
芝の10ハロンに新スター・ソーユーシンクが登場しましたが、
デットーリ騎手のリワイルディングにクビ及ばず敗れました。
リワイルディングは今春のドバイシーマクラシックの勝者ですね。
体質が弱く使い込めないそうですが、ここ一番の強さは見事です。
さて、中国の故事に 《韓信の股くぐり》 という話が出てきます。
若き日の韓信は、あるとき街で少年にからまれ、
《お前はいつも剣を帯びているが、実際には臆病者に違いない。
その剣で俺を刺してみろ。出来ないならば俺の股をくぐれ》
と挑発されます。韓信は取り合わず股をくぐることを選びます。
《恥は一時、志は一生》 と考えたからだと言います。
この韓信こそ劉邦を助け漢帝国を築き上げた大将軍でした。
名声と栄光という馬名を持つフェイムアンドグローリーは
文字通り名門エイダン・オブライエン厩舎のエースでした。
ダービーでは堂々の1番人気に推されたほどです。
しかし格下と思われたシーザスターズに敗れてしまいます。
雪辱を誓った愛ダービーはシーザスターズこそ不在でしたが、
2着以下に5馬身差をつけて圧勝します。やはり強い馬です。
しかしもっと強い馬がいました。シーザスターズです。
愛チャンピオンSで彼の2着と再び軍門に下ります。
あれからおよそ2年、フェイムアンドグローリーの今季は
G1どころかグレードすら付かない準重賞を走っています。
同厩の新星ソーユーシンクとの使い分けのなのでしょうが、
かつて名門を率いた大将軍の面影はありません。
股くぐりの恥辱にひるまない韓信の趣きが漂います。
今夜行われるロイヤルアスコット3日目のメイン、
ロイヤルアスコットの華と言われるほど国民的人気を誇る
アスコットゴールドCにフェイムアンドグローリーが登場します。
彼にとっては今年初めてのG1ということになります。
シーザスターズの唯一のライバルと言っていい彼は
再び “名声と栄光” を取り戻すことができるのでしょうか。
どうぞ “一生の志” を女王陛下の前で見せてください。
きょうも来てくださってありがごうございます。
そう言えば、春の天皇賞で可哀想な最後を迎えたコスモメドウ、
彼もまたアスコットゴールドCに登録がありました。
日本有数のステイヤーの走りが見てみたかったですね。