2011年07月29日
こんにちは。
海の向こうではクラシックシーズンが終わると、
息つく間もなく古馬との混合戦が始まっています。
牡馬陣は2400mのキングジョージを3歳のナサニエルが、
1600mのサセックスSを同じく3歳のフランケルが圧勝しました。
牝馬陣ではプリティポリーSを3歳のミスティフォーミーが
古豪ミッディを6馬身もちぎって見せました。
どうやら3歳有利の流れができあがりつつあるようです。
さて、明日グッドウッドで行われる中距離のナッソーSですが、
新たにスノーフェアリーが出陣して古馬が粒ぞろい、
そんなお話を昨日させてもらいました。
それでは “世代交代” を迫る3歳牝馬の陣立てはどうなんでしょうか。
バニンピアはホーリーローマンエンペラーの初年度産駒です。
父は今年7歳ですから3歳時の種付けということになります。
若くしてスタリオン入りすることの多いヨーロッパですが、
このデインヒルの息子は飛び切りの若さで父親になったものです。
というのもデインヒルの後継を期待されたジョージワシントンが、
生殖能力がないことが判明し、急きょ現役復帰が決まりました。
快速マイラー・ジョージのために吟味された繁殖牝馬のために、
同じ父を持ちクラシックに向けて鍛錬中のホーリーに白羽の矢が。
大統領の娘として生まれるはずだったバニンピアは、
神聖ローマ皇帝という名を持つ父のお姫さまになりました。
バニンピアは2歳時から大活躍した父とは少し趣きを変えて、
ここまで5-1-2-3使われながら少しずつ力をつけてきました。
前走の愛オークスではブルーバンティングのアタマ差2着、
もうG1に手の届きそうなところまで来ています。
相手はいかにも強いのですが生命力の逞しさに期待しましょうか。
最後になりましたがミスティフォーミーは5-1-0-3の実績です。
5勝中4勝がG1と勝負勁さも天下一品なのですが、
モロいときは極端にモロいムラ馬のレッテルがついて回ります。
これまで1番人気が一度もないのもそのためでしょう。
前走プリティポリーSは気分良く逃げて直線は離すばかり、
あんな競馬ができるとメチャ強いようです。
敵は古馬というより自分自身なのでしょうね。
きょうも来てくださってありがとうございます。
考えてみると、古馬混合戦で鮮やかな勝利を収めてきた
ナサニエル、フランケル、ミスティフォーミー、
この3頭に共通するのはガリレオ産駒ということです。
この他にも仏牝馬二冠のゴールデンライラック、
愛2000ギニーのロデリックオコンナー、
愛ダービーのトレジャービーチもガリレオを父としています。
サドラーズウェルズが築いた帝国の継承が完成するのでしょうか。