2011年08月02日
こんにちは。
8戦8勝の怪物フランケルに代表されるように、
父ガリレオ、母父デインヒルのノーザンダンサー系同士の配合が
ヨーロッパでは黄金のような価値を持ち始めています。
この黄金配合の先駆けとなったのがテオフィロです。
彼はガリレオ2年目の産駒でジェイムズ・ボルジャー調教師が
自ら生産と調教を手がけボルジャー夫人の名義で走りました。
オーナーブリーダートレーナーという夢のようなお立場です。
父ガリレオ、母父デインヒルという血統のテオフィロは
2歳7月のデビュー戦以降も順調に勝ち星を重ね、
ナショナルS、デューハーストSの愛英G1を
ともにエイダン・オブライエン厩舎のデインヒル産駒
ホーリーローマンエンペラーを下して5連勝を飾ります。
しかしこの一戦が両馬の引退レースになろうとは、
ボイジャー師もオブライエン師も思ってもみなかったでしょう。
ホーリーは厩舎の先輩ジョージワシントンが受精能力に問題があり、
種牡馬失格の烙印を押されたため同じデインヒルの血を引く
代打として急きょスタッド入りすることになったからです。
テオフィロはクラシックに向け調整されていましたが骨折、
懸命な介護も及ばず1年後に種牡馬入りすることになります。
ボイジャー調教師のガリレオへの思い入れは相当に強く、
テオフィロの翌年にはニューアプローチ、ラッシュラッシーズと
牡牝のG1ホースを送り出すことになります。
ご存じのようにニューアプローチはテオフィロが果たせなかった
エプソムダービー制覇という偉業を成し遂げます。
ラッシーズはコロネーションSとヨークシャーオークスを制覇。
両馬ともテオフィロ同様のオーナーブリーダートレーナー馬で
ボイジャー師は “ガリレオ使いの第一人者” に君臨します。
さて、話は前後しますが、テオフィロ、ニューアプローチは
ともに今年から産駒がターフにデビューします。
ノーザンダンサーの血を凝縮したようなテオフィロ、
異系の血脈を母系に集めたニューアプローチ、
どちらがガリレオ後継として血を発展させていくのか、
“ガリレオ帝国” は次なるステージに脚を踏み入れたようです。
きょうも来てくださってありがとうございます。
これだけヨーロッパ中を席巻しているガリレオの血ですが、
なぜか日本だけには縁が薄いようです。
明日はその不思議をちょっと見ていきたいと思います。