2011年08月13日
こんにちは。
アメリカのシカゴ近郊に位置するアーリントンパーク競馬場は、
トータライザーや写真判定の仕組みをいち早く導入したり、
世界最初のミリオン (100万ドル) レースを実施するなどの先進性と
古き良き時代の伝統的な建造物が映える美しい景観が見事に両立した
ファンにとっては理想的とも思える環境を整えています。
G1競走は年間3レースが組まれていますが、G1フィールズの名称で、
これを同日に実施してしまう大胆さもファンから歓迎されています。
その年に一度のG1フィールズが今日13日に開催されます。
牝馬のビヴァリーD.S (芝1900m)、3歳のセクレタリアトS (芝2000m)、
3歳以上のアーリントンミリオン (芝2000m) のラインナップです。
メインのアーリントンミリオンはもともと国際色の濃いレースで、
凱旋門賞にはちょっと足りないと思われている馬が集結し、
2000年以降の11年間で6頭の海外調教馬が勝っています。
00年のチェスターハウス、02年のビートホローは
英ヘンリー・セシル師から米ボビー・フランケル師へと
大西洋を超えてバトンタッチされた馬でした。
大馬主のカリッド・アヴドゥーラ殿下を介して、
深い信頼と友情に結ばれていた2人のトレーナーの固い絆は、
09年にフランケル師が亡くなったとき1歳を迎えていた牡馬に
“フランケル” の馬名を贈ることで引き継がれていくことになります。
現在8戦8勝の世界最強馬がその1歳馬の成長した姿です。
話は前後しますが、今年のアーリントンパーク・G1フィールズには、
アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎の精鋭が、
乗り込んでくることになりました。
なにしろ自厩舎の馬だけでG1の上位を独占する名門中の名門、
手駒は豊富な上にも豊富で使い分けに苦労するほどです。
メインのアーリントンミリオンにはケープブランコが
前走マンノウォーSに続いてアメリカ芝G1連覇を狙います。
相手も前走同様にジオポンティが有力視されています。
ヨーロッパでは一息だったブランコが完全復活宣言の場です。
3歳限定のセクレタリアトSにはトレジャービーチが出走します。
愛ダービー制覇、英ダービー2着の実績はここでは断然です。
アメリカンターフS (G2) を勝ったバンドが対抗視されていますが、
これならアガ・カーン殿下のズィヤールも差はないでしょう。
主戦ジョッキーのクリストフ・ルメールが騎乗します。
牝馬のビヴァリーD.Sにはフランスからスタセリタが来ました。
デビュー6連勝で凱旋門賞に挑んだ3歳時の輝きはありませんが、
ジャン・クロード・ルジュ調教師は新天地を求めてアメリカに、
前走ユナイテッドネーションS (モンマスパークG1) は3着でしたが、
今度こそは負けられない1戦になります。
アメリカの4000勝ジョッキー、ドミンゲス騎手で必勝を期します。
きょうも来てくださってありがとうございます。
今年のG1フィールズにはヨーロッパ旋風が吹き荒れそうですね。
アメリカ勢にも何とか一矢を報いてほしいのですが。