2011年07月09日
こんにちは。
今夜ベルモントパーク競馬場で行われるマンノウォーS (芝2200m) に
アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎から
ケープブランコが急遽参戦することになったようです。
昨年の愛ダービーと愛チャンピオンSに勝った実力馬です。
ですが、世界一の精鋭ぞろいといって良いオブライエン厩舎は、
先日発表されたワールドサラブレッドランキングでも
全体で51頭のランクイン馬のうち10頭がこの厩舎所属です。
世界のトップホースの5頭に1頭はオブライエン師が手がけています。
その顔ぶれは凱旋門賞候補にあげられているソーユーシンク、
今月下旬のキングジョージで本命視されるセントニコラスアビー、
6戦5勝の驚異の上がり馬アウエイトザドーン、
アスコットゴールドCから凱旋門賞へ異端のローテーションで向かう
シーザスターズのかつてのライバル・フェームアンドグローリー、
英ダービー2着の無念を愛ダービーで晴らしたトレジャービーチ、
すでにG1を4勝、古馬も破った3歳牝馬ミスティフォーミー、
とにもかくにもクラシック馬、G1馬が目白押しの状況です。
こうなると使い分けが大変なことになります。
ケープブランコの今季はドバイワールドC4着から始まり、
フランスのガネー賞も4着と不完全燃焼のレースがつづき、
前走はなんとマイルG1のクイーンアンSとブレブレのローテー。
オブライエン師は適性を測りかねているのかもしれませんが、
馬にはちょっと気の毒な思いもあります。
でも、父ガリレオとクールモアの王道血統であっても
簡単には種牡馬になれない厳しさがこの背景にあります。
同馬主の仲間との戦い、同厩舎のライバルとの競い合い、
ハイレベルな競争に勝ち抜いたサラブレッドだけが種牡馬になる、
単純明快で奥深い競争原理が欧州競馬の伝統なのですね。
ベルモントで迎え撃つのは米・芝チャンピオンのジオポンティ、
彼にはマンノウォーS3連覇の偉業がかかっています。
はからずも実現したニューヨークの真夏の夜の夢のような一戦、
最近ちょっと元気のないアメリカ競馬に喝を入れてください。
きょうも来てくださってありがごうございます。
明日は4年前のジャパンCにオブライエン厩舎のエースとして
やって来ながら検疫の問題で入国できなかったディラントーマス、
彼の初年度産駒の日本デビューの話題をお届けします。