| 大目標のベルモントS直前に 思わぬアクシデントが…。 ホースマン藤澤和雄が そのとき下した決断とは…? |
駿 | ピーターパンSを快勝して、 ベルモントSでも大いに期待をかけたわけですが、 直前で回避ということになってしまいました。 あれは残念でした。 |
俊 | ピーターパンSを勝った後も そのままベルモント競馬場に滞在し、 本番のベルモントSを目指しました。 直前までは順調にいっていたのに、 レース当日の朝に正式に出走を 回避することになりました。 挫跖ということでした。 |
駿 | 伝え聞くところによると それほどの重症ではなかったと…。 |
俊 | そうですね。藤澤先生も 痛み止めを打てば使えると言っていました。 でも『レースを尊敬しているのなら、 そしてカジノの将来を考えたら ここは一つ我慢しましょう』って…。 |
駿 | さすが藤澤だね! 痛み止めを打てば使えるくらいの状態なら、 普通は『せっかくアメリカまで来たんだから…』 って使っちゃうだろうに。 |
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俊 | だと思います。 症状が軽いだけに私もショックでした。 でも、これには後日談があるんです。 帰国した後、あの程度の挫跖なら すぐに治るだろうと放っておいたら なかなか歩様がよくなってくれない。 それで、患部を切ったら大量の膿が出てきたそうです。 藤澤先生がいうには我々が考えていた以上に カジノには苦しい思いをさせてしまって いたのだろうって…。まぁ、そういう意味でも ベルモントSで勇気ある撤退をしたのは正解でした。 藤澤先生の勇気ある決断に感謝しています。 |
駿 | うん、そういうことなんでしょうね。 ただ、今でこそ、そういえるけど、 カジノの出ていないベルモントSを観るのは 何とも複雑な気持ちだったのではないですか? |
俊 | これもね、実は面白い話があるんです。 レース前後の藤澤調教師の話なんですけどね。 私は『変な男と組んじゃったかな?!』って 一瞬、思ったんですよ(笑)。 |
駿 | それは興味深いですね。 一体どんなことがあったのですか? |
| (あしたにつづく) |