酔いどれ対談
第33回
余暇の時代、そして競馬(1)
 

 

閑話休題
今回は成駿さんから山本オーナーに
思いがけない質問が・・・?

駿

ところで山本さん、
一体どういう幼少期、青年期をおくれば、
あなたみたいに成功できるのかな? 
というのは、私が知っている成功者は
多かれ少なかれアクの強さみたいなものがあるんだが、
山本さんにはそれが感じられない。
どこか良いところの御曹司かな
と思ったりもするんですが(笑)。


 

残念ながらそうじゃないんです(笑)。
私の父は2回、会社を倒産させているんです。
しかも癌で若いうちに壮絶な最期を迎えた。
亡くなったのは私が26歳くらいの時だったかな・・・。

駿

ご苦労をなさったんですねぇ。
それで父上の跡目を継承して家業を継いだ?

いえ、家業は学生時代から手伝っていまして、
鉄鋼業と飲食業とパチンコ店、
その良さも限界もわかっていたつもりなので、
まったく違う道に進みたいなと思いました。
でも、残された家業には従業員もいますから、
そちらを立て直すのが先決でした。
何とか軌道に乗ったところで後を叔父にお願いして、
私は現在の会社の母体になる
レジャー関連の会社を興しました。
大成功した人間の息子は駄目だっていいますよね。
うちはそうじゃなかった。その点は気楽でした(笑)。
で、目標はわかりやすいほうがいいだろう、
お袋や家族たちにも理解できるように
5年くらいで長者番付に載れるようにって頑張りました。

駿

「創業は難し、されど守成はなお成り難し」といいます。
山本さんは父親の跡を継ぐのではなくて、
自ら創業者となる道を選んだんですね。
それは非常に賢明な選択だったと思います。
先代の跡を継ぐと、どうしても比較されますからね。
それは楽なことじゃないでしょう。
で、実際に5年で載れた?

そうですね。
私が初めて長者番付に載ったのは31歳の時でした。
父が亡くなって5年後でしたね。

駿

どうやったら金儲けできるのかね?(笑)

でも金儲けはできたけど、
人間との関係がうまくできなかった。
社員となかなかコミュニケーションがとれなかったんです。
私もそうですが、みんな若かったですからね・・・。

駿

ヤンチャな子も多かった? 
またヤンチャでなければ、
右も左もわからない業界の中で
生き残っていくのは相当に難しい。
そこをどうカジ取りするか、
山本さんとしては進退きわまった?

おっしゃるとおりですね(笑)。

駿

でも武田信玄じゃないが、
「人は城、人は石垣」なわけです。
若き日の山本オーナーはどうされたんですか?

どうしようか?と考えて孔子を読みました。
でも最初のうちは何を書いてあるのか、
チンプンカンプンでした。

 

(あしたにつづく)

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